第140国会の論議から

 「規制緩和」のかけ声の下、1997年5月の第140国会で、日影規制を適用除外して容積率を600%まで許容する「高層住居誘導地区」の制度が作られ、同時にマンションの廊下・階段等を容積率の計算から除外する建築基準法の改正案が成立しました。そこで、国会の建設委員会における論議から一部を紹介したいと思います。
 なお、質問によっては同時に2つ以上の内容を含んでいる場合や、答弁に続いて観点を変えて質問している場合があります。このような場合は、質問番号に続けてabcをつけて区別しておりますので、そのつもりでお読み下さい。

(1997.12.18)
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◆衆議院建設委員会会議録

衆1(日照と都市に関連して)職住近接なら日照は我慢していただく必要

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.1)

【質問】
 そういう中で、今回のこの容積率の緩和は、都心の中心部でありますけれども、一番最初のねらいだろうと思いますが、そこでいろいろな日照権の私権の抑制とか、土地問題というのは、後ほども申し上げますが、やはり戸建てで住んで、そこに長い間生活権を得ている。高層化というのは、いろいろな反対問題等あって、非常に難しいわけでありますけれども、そういう中でもってこの容積率を大胆に打ち出された、これは亀井建設大臣ならではの英断だろうというふうに思いますが、今後の基本的な考え方と、都心居住政策を進める町づくりの中で、これからの都市構造をどういう方向に持っていきたいのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
【答弁】亀井建設大臣
 我が国の都市づくりというのか、残念ながら、自然発生的といいますか、そういうことの中で、ある面ではスプロール現象というようなことの中で、不整然に都市がつくられてきておる状況が一般的ではないか、このように思います。やはり日本の土地は極めて狭隘というこれから逃れることはできないわけであります。
 国土の均衡ある発展という形で、都市部に人口が集中しないような政策はもちろん大事でありますけれども、その人口が集中しておる都市において土地をどう有効的に活用していくかという、面積が限られておるわけでありますから、空間、地下を含めての多角的な活用を考えなければいかぬわけであります。日照権等にいたしましても、従来のっぺらぼうに一元的にこれをとらえておったという嫌いがありますが、さんさんと光を浴びて生活をしたいという、そういうところに住居を持ちたいという方は、若干職住が遠くなっても郊外に住宅を選択される。逆に職住近接と利便性とを中心に生活をされたいという方々については、やはり日照の問題等については我慢をしていただくというような、そうした選択に従った規制が必要なんではないかな。そうした中で、都心部もいわゆるオフィスとデパート、スーパーだけで全然人が住まないという状況も、都市としてこれは均衡のとれたものではない、やはり都心においてもそうしたある程度の住居というのがきちっと確保されていくということも大事である、このように私は思います。そういう面から、土地の有効利用を図るという観点から、このたびそうした容積率について思い切った緩和処置を打ち出した。もちろん、これにつきましては、我々は、それぞれの自治体との連携をしながら、自治体の判断を尊重しながら進んでいきたい、このように考えておるわけであります。

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衆2(高層住居誘導地区)住宅に限った緩和なので効果を期待できる

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.2)

【質問】
 そこに加えて高層化していく一番の問題、後ほども建築基準法の方でちょっと御質間いたしますけれども、近隣問題があるわけですね。今ちょっと建設大臣もおっしゃったけれども、日照権の問題。容積率を上げていった場合にこの日照の問題がございますから、それが周辺に影響して、思惑どおり容積率いっぱいを使い切ることが果たして可能か。
 今ちなみに東京都の例を見ますと、千代田区だけが100%を超えている、100.5%ぐらい、中央区が75%ぐらいです。あとは大体40%台から50%前半ぐらい、平均しますと50切っているわけですよ、容積率の使用実態が。だから、この影響というのはやはり日影の影響などがあると思うのですが、この辺をとらえると、このマンションの価格というのは期待どおり本当に二、三割下がるのかどうか、その辺についてちょっとお伺いしたい。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 お答えいたします。
 ただいまの御質間の中には幾つかの基本的な論点というかポイントが入っていたと思います。一つには、一般的に容積率を上げれば利用可能性が高まるわけですから、一般論として地価が上がるというふうな議論というのはあり得るとは思います。
 ただ、御留意いただきたいのは、今回お願いしております法改正は住宅に限って容積率を緩和するというふうな点でございまして、一般的に、地価が上がるときには、商業にせよ業務にせよ、最高に利用可能な価値、これをベースにして全体の地価が決められる。したがって住宅は相対的に割を食うというのが今までのパターンだったわけですが、住宅に限っての容積率の緩和であるというふうなことでございますので、仮に地価が上がるとしても、それは住宅としての実需に見合った限りにおいて上がることはあり得べしというふうなことが基本になろうかと思います。それが第一点でございます。
 そういうふうなことをベースにした上で、現実問題、マンション価格が下がるのかどうか、あるいはどの程度かというふうなことについて申し上げますと、最終的には需要と供給というふうな面がございますので、理論的な数値は割り出しにくい面がございます。ただ、最小限言えることは、マンションといえども、企業経営として供給される以上は、コストの積み上げによって最小限のコストが下がらない限りは価格が下がらない、これは絶対間違いないわけでございます。そういうふうな面で分譲可能価格というふうなものは、例えば港区の三田あたりで現実に供給されたマンションを今回の制度に置きかえたならば一体分譲可能価格はどこまで下がるのかというふうなことを積算いたしますと、これは具体的な例でございますが、75平米の住宅でかつて7,580万円で供給された例がございます。それが今回の制度をフルに当てはめた場合には、33%減の5,060万円で理論的には供給可能というふうな数字がはじき出されます。
 それから若干細かい話で恐縮でございますが、例えば先ほど39階建てのマンションと10階建てのマンションのお話をされました。技術的には、超高層になった場合に、ある階数のレベルを超えますと建築の単価がちょっと違った局面での価格になる。要するに、単純にふえる減るということではなくて、全く違った価格になるという点がございますので、超高層と通常の中層のマンションを単純に比較するというのはちょっと難しいのかと思います。

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衆3a(高層住居誘導地区)今回は道路に関する規制も緩和した

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.5)

【質問】
 そこで、第一点目に、今、建築基準法でもって、非住居地区は前面道路に対して十分の六、住居地区は十分の四を掛けるわけですね。そうすると、500%の容積率でいきますと、十分の六掛けると、実際は300%しか使えないという法律上の欠点があるわけです。ですから、小さな容積率を採用することになってしまいますので、この辺はどうなのか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 まず、斜線制限あるいは前面道路幅員による容積率の制限でございますが、よく言われますように、指定容積率を100%使い切れない制度的要因の何がしかは今御指摘のございました、前面道路の幅員が狭いことによって斜線制限なり容積率のカットを食うというふうな点にあろうかと思います。
 今回は、単に、容積率を表向き何割を増すということだけではなくて、その裏側として、基準法を改正いたしまして、斜線制限あるいは前面道路幅員による容積率制限を緩和したという点が一つございます。
 その基本的な考え方でございますが、基準法の基本的な考え方は、住居系の地域とそうではない地域によって、斜線制限の厳しさ、あるいは、幅員による容積率カットの厳しさが異なっております。
 今回の改正のポイントを一言で申し上げますと、住居系の基準でございます、前面道路幅員掛ける0.4、ないしは、斜線制限の比率は1対1.25、これをすべて、商業系、住宅以外のゾーニングの比率、つまり、幅員については掛ける0.6、斜線制限については1対1.5というように置きかえたというふうな点がございます。
 したがいまして、町並みのつくり方からいたしますと、とてつもない町をつくろうというわけではなくて、非住居系のような町の景観、形態というところが住宅としてきちっと使われることを制度的には想定しているというふうなくらいのイメージで御理解いただければと思います。

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衆3b(共同住宅の容積率)容積率不算入にはおのずから限界がある

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.5)

【質問】
 それから第二点目は、共同住宅の廊下、そういったものは今度の容積率から外されていますけれども、今建築業界の方は、何とか収益を上げたりするために、実際、マンションの廊下なんというのは大体外部なんです。それから階段も外部階段ですね。ですから、この要件をあてはめても、もうそれほどメリットはないのですね。
 ですから、私は、エレベーター前とかパイプスペース、本当はそういったものもこの中に取り込めば生きてくると思うのですが、もう業者の方がそういうとことは全然先へ行っていまして、なるべく収益を上げようということでそういう形をとっているわけですね。ですから、この辺の問題をどうお考えになるのか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 それから、もう一つは、マンションについての容積率不算入の考え方でございます。
 これについてはいろいろな議論がございます。例えば、今回措置いたしましたのは、共同住宅の共用の廊下、階段部分でございます。例えばエレベーターはどうだ、あるいは、マンションでございますと、集会室とか管理人室等々、共用部分というのはほかにもいろいろございます。そういうふうな場合に、一体どこまでを不算入の対象にするのかというふうなのは、実は、極めて難しい問題でございます。
 ただ、一つ言えるのは、容積率そのものの基本的な考え方の枠組みというのがございますのでそれを不算入というふうな形で特例を設けるには、おのずからの限界がございます。
 例えば、エレベーターについて申し上げますと、超高層の場合には、廊下とエレベーターと階段、これだけで、恐らく五割近くを占めます。全体の容積の半分近くがエレベーターと階段と廊下で消えてしまう。そうしますと、単純な特例措置というだけで五割違う。1000%の超高層の容積が1500%になってしまうというふうなことは、通常の特例措置というふうな範囲から考えますと、やや行政側としては厳しいというふうな面がございます。
 そういうふうなことから、算定し得る最大公約数というふうなことで、今御提案申し上げております共用の廊下とか階段を全国適用の制度として不算入にさせていただいたという点でございます。御理解いただきたいと思います。

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衆3c(日照と都市のあり方)日影をめぐる紛争には決め手がない

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.5)

【質問】
 3点目に、日影規制であります。これは、一団地の大きな土地で、そこで、大体3分の2ぐらいですが、形のあれをとるわけでありますけれども、これは、幾ら高くしても、やはり、先ほどから申し上げております近隣の住民の反対があるのではないか。その場合に、この日影規制というのは、こう立っていたものが、40階のものが30階になる恐れが実はあるだろう。ですから、私は、周辺部も影のあれから外すという形になりませんと・・・・。
 ですから、当初申し上げました、都心に住む以上、やはり、住む住民の側に対しても、一つの住まい方、哲学といいますか、そういったものをきちっと植えつけていかないと、なかなかこういった協力体制は得られないというふうに思うのです。日本の住宅問題の都心部の問題というのは、いろいろな意味でこれに尽きるわけですね。ですから、その辺の日影規制の考え方。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 それから、日影の関係の話でございますが、確かに今回の御提案申し上げている法律制度では、日影規制は法律上適用除外にするというふうにしております。これは、ただ社会的実態としては、いろいろな意味で日影をめぐる紛争というのがございます。これについて一言で申し上げますと、恐らく社会的事実でございますので、制度的な決め手はないというのが本音でございます。
 ただ、一つ言えることは、やはり住まい方についてのコンセンサスというか、共通の認識をどうやって醸成していくのかというふうなことの積み上げが基本的に必要だろうと思います。そういうふうな場合には、法律制度として、こういうふうな場合の住み方の問題として日影は法的には保護されないというふうなこと、一国の法制度としてやはりきちっと位置づけるような場合もあるというふうなことは、きちっとした形で制度上表現させていただきたい。そういうふうなことを踏まえながら、やはり社会的実態としての考え方、これの機運を盛り上げていくというふうなことが基本的に必要じゃないかというふうに考えております。

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衆4(高層住居誘導地区)首都圏を中心に指定されることになるだろう

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.8)

【質問】
 さて、そういった中で、今回の改正案につきまして、高層住居誘導地区をつくるのだ、こういうことでありますが、この地区が全国的に、400%の容積率のある地域が対象だということでありますが、一般的に言うと大体三大都市圏に集中しているのかなというふうにイメージをしておるわけでありますが、全国的に、その三大都市圏のどういった地域、ある程度想像はできるわけでありますが、どのような地域がどの程度の、全住宅面積の割合でいうと例えば何割ぐらいに相当するのか、ちょっと教えていただきたいと存じます。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 先ほど来大臣に対しても御質問もございましたように、我々、これからの日本のあり方の中で、いろいろ経済、産業の問題もあろうかと思いますが、ちょっと前置きになって恐縮でございますが、やはり国土、これは我々に与えられた大変限られた資源でありますから、その資源をいかに有効に活用していくか、生かしていくかということ、それからその中に、大臣申し上げましたように各都市が元気で個性ある姿を出していくということでやっていかなきゃならないと思っております。今回の施策は、そういうことの一環と言うには少し大げさかもわかりませんが、私はそのぐらいの気合いで今回の法律を出させていただいております。
 御質間のありました高層住居誘導地区につきましては、先ほどの御質問の中でもお答えしたわけでありますが、十二の都市計画で決められております用途の中の五つ、いわば住居系と非住居系が混在している地域に限って、しかも400%という、既に色塗りとしては大変高度な使い方を認知しているところでございます。
 面積的には、御案内のございましたように、全国で4,950ヘクタールということでございますが、うち三大都市圏で88%、数字的に申し上げて4,350ヘクタール、それから地方圏、三大都市圏以外で600ヘクタール、全体では21%。したがいまして、かなりの部分は三大都市圏、しかも4,350ヘクタールのうちの首都圏が3,550でございますから、現在の用途のままでいけば首都圏が多いと思っております。
 しかし、これから各ブロックの中心とかそういうところが、先ほどお話にございましたように、自分たちの地域においてより職住近接型あるいは都心居住型を求めるだけのいわばポテンシャルが高まってくれば、そこはそれぞれの地域の方が御判断いただくと思っております。
 それから、御質間で、もう少しイメージをとらえるために、五つの申し上げた混在系の用途の中、全国で77万ヘクタールございますけれども、これに対しての割合は大変少のうございまして、0.6%となっております。

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衆5(高層住居誘導地区)経験的に住居割合を三分の二以上とした

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.10)

【質問】
 今回の法改正におきましては、住居割合が三分の二以上のもの、こういうふうになされておりますが、この三分の二という根拠がもしあれば、教えていただきたいと思います。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 もともと、先ほど来の御議論にありましたように、高層住居誘導地区につきましては混在地域でございまして、それで、その中で、例えば我々が常に容積率を考えるときには、公共施設の整備状況、それから、そこに立地いたしました建築物から発生する交通量、こういうものをおおむね念頭に置いて従来まで決めてまいりました。
 今回もそういう意味では大変思い切って改正をさせていただきたいと思っておるわけでありますが、何をさておきましても、やはり都心居住というねらいの中に沿った形からいきますと、住居系で、かつ、それが一定割合といいますと、例えば半分という話と全部という、いろいろ、両面あろうかと思います。中をとって三分の二という、そんな乱暴な議論はしておりませんが、やはり何といいましても、住宅がかなり多いということになりますと、先ほど申し上げましたように、交通量からいきますとさほどの負担にならないということで、私どもは三分の二ぐらいという数字を言っている。
 念のためでございますが、ほかに、従来からやっていました都心居住の総合設計などは四分の三というような数字も使っておりますので、これは特に絶対的な数字ということではなくて、経験的な数字というふうにお答えするのが妥当かと思っております。

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衆6(高層住居誘導地区)具体的な割り増し率は都市計画で決める

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.10)

【質問】
 今回の改正の中で、住宅割合に応じて容積率を引き上げるのだ、それで最大限600%までだ、こういうことでありますが、この住宅割合に応じて、例えば、そうであるならば、三分の二のときには何%であって、五分の四になると何%で、100%になると600%、そんなことで何か基準みたいなものは考えておられるのでしょうか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 多少技術的なお答えで恐縮でございますが、先ほど都市局長から御答弁がございましたように、本来この制度は住宅割合が三分の二以上のものだけを対象にするというふうなことでございますが、三分の二以上といっても、全部が住宅のものまでいろいろなバリエーションがございます。したがいまして、三分の二を超える割合が多くなればなるほど割り増し率を高くして、最高は1.5倍までいく。では、どの程度割り増すのかというふうなことは、具体的には都市計画でお決めいただきたいというのが本来の制度でございます。
 したがいまして、大ざっぱに申し上げますと、住宅割合が三分の二以下のときには本来の400%が適用になる、それから、逆の面で、すべてが住宅だった、最高の1.5倍が適用になったとした場合には400が600までかさ上げになる、こういうふうな状況でございます。

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衆7(共同住宅の容積率)外気に面した階段・廊下が算入対象外なので

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.11)

【質問】
 さらに、次の、二つ目の改正の、共用部分を容積率に入れないという改正でありますが、単純なようでかなり思い切った改正かなというふうに私は認識をいたしております。
 これも瑣末な質問になって恐縮でありますが、法案によりますと、廊下と階段、これは限定をされて書かれているように思いますが、共用部分というのは廊下と階段だけになるのか。例えばこれが共用となるのかどうかわかりませんが、マンションにみんなで使う集会所をつくるとか、その集会所は容積率に入れてもいいのかもわかりませんが、いろいろな形の共用部分というのはこれからまた考えられてくるのだろうというふうに思っておりますが、廊下と階段のみという限定をされた法案だと思いますので、廊下と階段に限定した経緯、またお考えというのをお聞かせいただきたいと思います。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 お答えいたします。通常のマンションを想定いたしますと、共同住宅の廊下、階段部分を容積率の対象から不算入にするというふうなことによりまして、標準的には容積率が20%前後割り増しするというふうな結果になります。
 ただ、その場合に、いろいろなことを議論し出しますと、容積率の構成要素、いろいろございます、その中で、今御指摘になりましたように、例えば集会所であるとか、管理人室であるとか、あるいは階段、廊下に近いものとしてはエレベーターなどなどはどうなんだろうかというふうな議論がございます。
 ただ、そうなってまいりますと、究極的にはやはり容積率とは一体何なんだというふうな基本論が一つ出てまいります。そういうふうな、容積率とはというふうな基本論が片方にあるという大前提のもとに、特例という形で不算入を制度化するというふうな場合には、恐らくどこかでおのずからの限界があろうかと思います。
 その場合に一つ参考になりましたのは、従来から外気、外側に面した非常用の階段ですとか、あるいは外側、外気に面した片側式廊下、これについては算入対象外になっているというふうなことを前提にしまして、内廊下方式等々であっても算入の対象外にするというふうに判断したというのが率直なところでございますが、ただ、冒頭、標準的には20%と申し上げました。その場合に、例えばエレベーターを入れますと、超高層なんかの場合には、実はエレベーターと階段と廊下、これだけで50%近くを占めているというふうなのが超高層の現実でございます。
 したがいまして、エレベーター等々を入れて、特例が、例えば1000%のうちさらに上乗せ500%が特例であるというふうなのは、やはり容積率の本質論からしてやや限度を超えているのかなという実態上の、これは制度論ではございません、実態上の判断もございます。
 そういうふうな非常に悩ましいプロセスを経まして階段と廊下というふうな結果に落ちついたというふうな心中を御理解いただきたいと思います。
【答弁】亀井建設大臣
 実は私も委員と同じような問題意識を持っておりまして、少なくともエレベーターというのは階段を機械化したんじゃないか、なぜそれが入らぬのだということで、実はきつく入れることを私は指示したわけでございますけれども、実は法制局との関係等で、今局長が申し上げました従来の容積率ということの概念、それで建物外の廊下だとか階段の拡張解釈という形で容積率から除外をするという法律的な観点から、引き下がらざるを得なかった。
 これをさらにやっていけば、今国会提出が間に合わないというタイムリミットもございまして、そういう処置をとったという事情があることを御理解いただきたいと思います。

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衆8(高層住居誘導地区)用途違反に対しては最高限の態勢で対応したい

(建設委員会議録第13号、97.05.16、p.14)

【質問】
 住宅割合三分の二以上の場合に容積率の緩和をするものですが、建築後、事務所に転用されたらどうなるのか、転用されない保証があるのか。現実問題として、港区など都心のマンションで当初住宅用として建てられたものが、いつの間にか、ほとんど事務所として使用されている例は少なくないんですね。どのように対応するのか、お答えをいただきたい。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 一般に、住宅として、マンションとして構造上つくった建物を全く違った用途に転用するというのは、一般的に申し上げまして、構造上極めて難しいだろうと思います。
 それで、現実の行政実務の場では、したがいまして、建築確認におきまして、マンションに固有の設備、構造というのはあるわけでございますから、台所でございますとか、ふろでございますとか、あるいは居住空間相互がきちっとした構造壁で隣と区分されているというふうなこと等々はマンションに固有の構造でございますので、そういうふうなものは普通の確認以上にきちっと見たいと思います。
 それから、やはり特例的な容積率制度を適用するわけでございますから、きちっとした台帳は整備させていただきます。定期的な検査もやらせていただきます。したがいまして、仮に極めて悪質な用途違反というふうなものがあったとするならば、私どもの姿勢としては、基準法上でき得る最高限の態勢で対応いたしたいと思います。措置命令等を発したいと思います。

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衆9(高層住居誘導地区)マンション販売価格はいくら安くなるのか

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.1-2)

【質問】
 国民にとっては、ここが本当に良質で、そして安い価格で住宅が提供されればこんなうれしいことはないわけですけれども、実際に、本当に試算しましてどのくらい安くなるのか。場所によって大分差があるかと思いますけれども、中間所得層の人が本当に買えるのかどうか、その辺の細かい試算をぜひ公表していただきたいと思います。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 マンションの販売価格というのは、恐らくいろいろな要素で最終的には決まってくるものだろうと思います。
 ただ、今回御審議をお願いしております法案との絡みで申し上げますと、基本的には、容積率を緩和することによって販売可能な床面積がふえる、それが結果として床面積当たりの販売価格を下げるというふうなメカニズムを通じて安くなるというふうなことだろうと思います。
 そういうふうな前提で幾つか具体的な事例に即してシミュレーションを計算いたしますと、例えば港区の三田でございますが、現実に供給された75平米のマンション、これを、今回の措置がフルに適用されたというふうに置き直して試算いたしますと、かつて7,580万円で1戸当たり分譲された住宅、これが5,060万円、33%下がります。
 その裏側としましては、先ほど申し上げましたように、400%の容積率が現実には斜線制限等々によって300%しか使われていない状況で供給されたという前提がございます。それが、今回の措置によりまして、最高限、目いっぱい600%、さらには、マンションの階段等々を除外するというふうな措置も加味いたしますと、フルにいきますと720%まで使えるという前提で計算しますと、今申し上げましたように33%の減になるというふうなことでございます。
 また、若干場所を変えまして、江東区での現実のマンション、100平米でございますが、やや大きな住宅でございますが、これについて同じようなシミュレーションをいたしますと、5,280万円というふうなものが4,290万円、約20%弱の減少になるというふうなシミュレーションがございます。
 したがいまして、そういうふうな計算上の措置を前提として、あとはいろいろなしがらみの中で価格は決まるとは思いますが、趨勢として、現実に価格を引き下げる方向に働く有力な措置であるというふうに考えております。

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衆10(高層住居誘導地区)地価は上昇しないとした試算である

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.2)

【質問】
 今回の、土地取引が活性化されるわけですけれども、地主が土地の値上げに動くという話も伝わっているわけですけれども、土地の値段の上昇を建設省は考慮に入れているかどうかもお聞きしたいと思います。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 先ほど冒頭に御説明いたしましたマンション価格のシミュレーションにつきましては、地価が変わらないものというふうな前提でのシミュレーションでございます。ただ、今回の制度につきましては、容積率等々の緩和は住宅に限っての措置でございます。
 かつての一般的な地価上昇というふうな背景を見ますと、やはり商業系とか業務系と、住宅とが混然一体となって価格競争を行う。したがって、一番地価負担力の高い、例えば商業系の用途の価格に住宅も引きずられるというふうなことが実態だったわけでございます。
 その意味では、住宅に限っての特例でございますので、マンションとしての供給可能額、実需に見合った価格でしか恐らく地価は動かないであろうというふうな感じを持っておりますので、緩和イコール地価の上昇という一般的な図式は今回については恐らく成り立たないのではないだろうかというふうな感じで受けとめております。

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衆11(高層住居誘導地区)容積率歩留まりと指定対象地区のイメージ

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.2-3)

【質問】
 実際の容積率の活用は現時点でも5割未満と聞いているのですけれども、容積率の緩和は本当に効果があるのでしょうか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 御質問にありましたように、現在の容積率は指定の容積率のおおむね半分近くというのが確かに実態でございます。
 ただ、これには2つぐらいの要素がございまして、1つはやはり公共投資といいますか、社会資本の整備がおくれておりますから、条件的には、整備がされた後において期待される容積率を十分に使いこなすというものがあります。
 それからもう1つは、数字的なことで申し上げて恐縮でありますが、一般的には、例えば病院とか学校とかその他の公共施設も多々ございますので、結果的にはそういうところが全体の容積率を数字的に引き下げているところもあろうかと思います。
 ただ、我々の課題としておりますのは、現在ある一定の公共施設が整備される、あるいは整備されることが期待される地域におきまして、むしろ先ほど申し上げたような都心居住という一つの住まい方として新しい提案をする、その際に、いわは容積をある程度緩和することは、むしろ住宅政策あるいは都市政策として十分な効果を期待しつつ、我々としてはやるべき施策ではなかろうかと思っております。現行において、確かに容積率の数字が若干低いという事実は我々も承知しておりますが、そういう背景の中で私ども検討させていただいているわけでございます。
【質問】
 それでは、この対象となる土地はどのようなところでしょうか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 まず前提といたしまして、地区計画については、都市計画の一環の手続として決めておりますので、地方公共団体がまずお考えだと思いますが、私ども提案している立場から申し上げますと、かなり公共施設が整備されつつある、あるいは整備されているという地域がイメージされるのではなかろうかと思います。
 あるいはまた、今回は御案内のとおり日影規制等についての適用除外も考えているわけでございますから、これは一般論でございますが、例えば地域的に川沿いだとかあるいは臨海部だとか、ある一定の空間が現在においても確保されているようなところが恐らく公共団体の中では計画としてこれから選ばれていく、あるいは検討されるのではなかろうかと思っております。

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衆12(高層住居誘導地区)5用途地域の400%地域に限定した3つの理由

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.5)

【質問】
 今回のこの誘導されます地域の指定と申しますか、対象区域というのは、住居が混在をしておる用途地域で、しかも容積率を400%の地域に限定をしておられるわけでありますけれども、その辺の理由を明らかにちょっとしていただきたいと思います。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 私の方で考えましたお答えを申し上げますと、三つぐらい視点があろうかと思います。  一つは、今大臣がお答え申し上げましたように、国土全体のあり方、あるいは都市構造として、これからやはり、公共施設等がある一定の整備されたところを念頭にしながら、高度の土地利用をしていくところ。
 それからもう一つは、住居系と今先生お話がございました非住居系がある程度混在しているところで、いささか申し上げると、住居系が非住居系、具体的に申し上げると、商業その他のビルが住宅の立地を抑制するといいますか、押しのけているようなところ、そういうものを解消していくということ。
 それからもう一つは、やはり新しい都市環境としては、マクロ的な都市環境はもちろん周辺の公園その他で確保していきますが、個々については、ある一定の日影規制等についてはお互いに融通し合う、この辺の視点が今回の施策の課題ではなかろうかと思っております。
 したがいまして、住宅あるいは商業系の立地状況を見まして、私どもは200から400ぐらいを模索しておりましたけれども、現在の状況からいきますと、やはり400%という容積のところが、相当の部分で住宅のシェアが抑制されているといいますか、追いやられているような傾向もございます。それから、大都市を中心といたしまして、現在地方公共団体で実施されている日影規制等なんかの状況を見ますと、おおむね条例の世界でございますが、400%については各都市とも適用除外という一つのそれぞれの実績を持っておる。
 これらを念頭に置きながら、今回申し上げました400%で、いわば住居あるいは商業系を中心とする非住居系の混在している、全部で12ある中の5つの用途地域を対象にするということで考えたわけでございます。

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衆13(高層住居誘導地区)容積率300%地域まで広げることは問題が大きい

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.6)

【質問】
 そういうことからいたしますと、これは300%に、場合によっては本案を、今回修正できなかったら近いうちにということもありましょうけれども、やはりそこまで広げるというぐらいのお考えはないのでしょうか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 都市のあり方というのは、先生おっしゃったように、なかなか各都市ごとに様相を異にしておりますので一概には決めつけられませんが、私の考えを申し上げますと、今先生おっしゃったように、400を300に下げて対象範囲を広げるという手法も一つの手法かもしれませんけれども、むしろ400%というのは、先ほど申し上げましたように、何ゆえ400に限ったかというのは、環境の問題あるいは住居系と非住居系との建て方の問題あるいは高度の利用の仕方ができるだけの基盤があるかということで選ばせていただいておりますから、おのずと各市町村が、こういう今回の提案を受けて、自分のところは従来は200とか300だけれども、それだけの整備がある程度進んでくれば、400にしてそういうことをやろうという試みが恐らく進んでいくのではないかと私は思います。
 逆に、300まで広げてしまいますと、御承知かと思いますが、400%の対象地域、4,950と申し上げましたが、おおむね十倍近くのいわば潜在的な予備軍がいるわけですから、これを一気に全部広げるということについてはいささか問題が大きくなろうかと思いますので、むしろ300をもう一度点検する中で400に切りかえて、その上でこの施策を受けていただく。
 それについても、前提条件、いろいろな問題がございますから、各公共団体がそれぞれの中で選択されることであろうかと思いますが、私は、基本的にはそういう方が都市計画的じゃなかろうかと申し上げます。

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衆14(日照と都市のあり方)みんな少しずつ日照を我慢するしかない

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.13)

【質問】
 いや、そもそも、太陽が欲しい、あるいは会社に近い、どっちを選ぶか、その選択性だということを盛んに言われる。
 この間、郊外に住んでいた人が必ずしも太陽だけを求めていたのか。それは、都心じゃ住めない、いや、地価が安いからというのもあったと思うのですよね。ただ、選択をしようと思っても、それは懐の状況と相談しないと、これはなかなか選択できませんよね。単にだから全く同じレベルで選択をするということはできないと思う。
 さらに、郊外に行ったら、私もいろいろな方から相談を受けたりしますよ。確かにそれはエゴと言う面もあるかもしれない。しかしそれは、当然行政として調停だとかそういう制度もある。それまでは、かなり今突っ込んで業者の方と住民の方は当然真摯に話し合われているのです。それでマンションの階数が減ったとか、そういう例もある。
 確かにバブルの時期以上に日照権の問題の紛争というのはふえているのですよね。そんな中で、さらにそういう状況というのをいろいろなところへ波及させていくのか。なかなかこれは、本来の目的の都心居住の回復というところとやはり別問題として考えなければならないのではないかな、全国へ波及していくわけですから、そういう制度が。ですから、できればこういった問題というのは、本当、切り離して考えたい。
 確かに日照の問題というのは、単に日照だけじゃないですよね。やはり一番多分計算しやすいのでしょうね。だから、ある意味で環境全般のバロメーターになっているんじゃないか、メルクマールになっているんじゃないか、騒音ですとかプライバシーだとか、それは太陽だけじゃなくて。ぜひそういったことをさらにいろいろな地域に引き起こさないように、この辺は本当、この都市計画法の改正と切り離して考えていただきたい。いかがでしょうか。
【答弁】亀井建設大臣
 ですから、切り離すいい方法があったら教えていただきたいということを私がお願いするわけでして、人が集まってくれば、必ず騒音の問題も発生しますね。交通渋滞の問題も発生をしますし、あるいは空気の汚染の問題も発生します。いろいろな問題が発生をしてくるわけで、それを我々がどういう形でトータルとして除去するかという努力はしなければなりません。
 しかし、あわせて、やはりそこに生活をしあるいは働いている方々が、100%田舎と同じような自然環境のもとでは生活をできないという、受忍といいますか、その覚悟も全然なければ、私の田舎のようなど田舎と同じような自然環境、生活環境を東京のど真ん中に確保しろといっても、これはできない話でありまして、だから、そこが、私が何度も言っております、政治ができるだけトータルとしてそういう環境を少しでも向上させる努力はいたしますけれども、やはり住民、そこにおる人自体もそれについて、自分だけじゃなくて、大勢の人が集まりたいというわけですから、自分以外は排除するというような、そういうことはやはりエゴにつながっていく場合があると私は思いますね。
 また、よく町なんかを見ますと、マンション建設反対、これは理由がある場合もあると思いますよ。だから私はどこだとは言いませんけれども、自分が高層マンションに住んでおって、隣に対しては日照を阻害しているわけですね。ところが、その隣にまたマンションが建つことによって、自分の家の日当たりが悪くなるというので、新しいマンションの建設反対といってまん幕を堂々と出しておられる方もいらっしゃいますね。
 そういうことを私は例に出すわけじゃございませんけれども、何度も申しますように、みんなで少しずつは我慢をしながら幸せになっていこうという視点を除いてこの日照の問題というのは解決しないと私は思います。

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衆15(日照と都市のあり方)平家建てが理想だが、いろいろ問題もある

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.16-17)

【質問】
 やはりマンションでも何でも、日影の問題というのが一番トラブルの原因になっている。こういうことで、日照は、日照自体でなくして、採光とか通風とか、あるいはプライバシーなど、住環境の一つのメルクマールと言ってもいいんじゃないか。
 そういう意味で、その他、維持管理とか、エレベーターなどの最近起きている犯罪とか、広島の高層アパート火災など、居住者への身体的、精神的影響、災害危険性があるというような問題があるわけでありますが、高密度、高層化の住宅、こういう高層住宅が質の高い住宅と果たして言えるのかどうか、このことについて住宅局長さんはどうお考えになっておられるか。
【答弁】亀井建設大臣
 かわってお答えいたします。
 それは、平家建てに住むのが一番理想だと思いますね、これは。一番高価な住宅は平家建てと決まっておるわけであります。
 しかし、一億円も二億円もする都心の平家建てに住むことができない、十階建てかもしらぬけれども、適正価格で都心に住みたいという方々のニーズがあるわけでありますから、それにどうこたえていくかということであろうかと私は思います。
 また、狭い、例えば百坪の土地に、全然空き地もない形で、軒を接して、一階建ての建物、二階建ての建物が密集した状況でお住みになるのが防災上の観点からもいいのか、あるいは、その百坪の中に共同してマンションをお建てになって、適当な空間をとって、そうしたものについて安心した住居にお住みになるのがいいのか、これは選択の問題であろうと思いますけれども、外国と違いまして、国土が極めて狭隘だという絶対的条件下において住宅政策をどうするかという点であろうかと思いますので、これは、聡明な委員におかれましては十分御承知だと思いますけれども、私どもはそれで苦慮をしておることも御理解を賜りたいと思います。

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衆16a(高層住居誘導地区)転用に対しては従来以上に対応したい

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.21-22)

【質問】
 それから、事務所ビルに住宅が転用されるおそれはないのかということなんです。
 それで、実はこれも森ビルの調査なんですけれども、こういうことになっているのですね。「マンションのオフィス利用の変遷」ということで、港区全体の調査。細かいことは省きます。昭和48年、11.6%転用、昭和56年の調査、18.7%、昭和62年、24.3%。このデータはちょっと古いです。だけれども、こういう傾向はずうっと続いています。
 私も港区の諸君を随分知っています。マンションに住んでいる諸君も知っています。随分変わっちゃっている。もう圧倒的に事務所ビルになっている。要するにふろつきの事務所なんだということを多くの方は言います。
 私は、その点では、これまた森ビルの調査です。赤坂Aマンション29.4%、赤坂Bマンション40.3%、青山Cマンション67.3%、これぐらい、どんどん事務所ビルに変わってしまっているのですよ。ですから、そのおそれはないのか。そして、法律改正の趣旨は住宅ですから、三分の二以上ですから、そうさせないことのどんな方策を持っているのかということをお聞きしたいと思うのです。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 ただいまいろいろな数字をお示しになりました。ただ、事実として、法律制度の前提条件をはっきりさせておいた方がいいと思いますが、一般的に、商業系の地域などにおきまして、マンションとして住宅をつくった、確認を受けたというふうなものを事務所に転用すること自体は基準法上は決して違法ではございません。
 マンションも可能ならばオフィスも可能、許容されている用途の範囲内で、竣工した後で用途をその枠内で変更することは決して違法ではないという状況のもとで、例えば、港区の商業系のウエートの高いような場所で、事実、事務所に転用されているという例があるというのは、御指摘のとおりだろうと思います。違法ではございません。
 ただ、今回の制度について言いますと、先生おっしゃいましたように、まさに、住宅であるという点に着目して容積率の割り増しを行ったわけでございますので、厳密に申し上げますと、一戸でも事務所に転用した場合には即違法、基準法上違反というふうなことになります。したがいまして、建築確認というふうな場合には、本格的なマンションとしての構造、設備というふうなものは備えられているのかどうかというふうなことは、従来以上にきちっと点検をいたします。
 それから、何度かお答えしておりますが、きちっとした台帳を整備いたします。事後の点検もさせていただきます。したがいまして、かなり悪質と認めざるを得ないようなケースについては、措置命令、罰金というふうなことも懐に入れて対応いたしたいというふうに考えております。

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衆16b(高層住居誘導地区)法の枠組みが違うし、執行体制も強化したい

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.22)

【質問】
 言っていらっしゃることはごもっとものように聞こえますが、そんな点検をするような体制は、建設省がやるわけじゃなくて、自治体がおやりになるのですよね。そんな体制がありますか。
 これも私の調査によれば、中間検査1割、完了検査4割、こういうのが実態だというのですね。さあ、今度はそういう、都心居住の建物ができた、今局長言ったように、厳重にやるということなんですけれども、体制がないのですよ、体制が。どうやってやるのですか。そういう点で言いますと、うたっていることがちゃんといかないということになるのじゃないかと私は思うのだけれども、いかがですか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 二点、お答えさせていただきたいと思います。
 一つは、先ほどの数字というのは、通常の確認を受けて、通常にコマーシャルベースで建てられたというわけでございますが、港区の例を盛んにお引き合いに出されますので、一つだけ私の方からも港区の例で事実を御説明したいと思います。
 一般的なマンションが建てられた場合ではなくて、港区には住宅附置要項というのがございます。事務所をつくる場合には、事務所の割合に応じてそれなりの住宅をつくるという要項がございます。
 これについての省としての評価はいろいろございますが、ただ、事実として、港区が関与した形でマンション的住宅が供給されたというふうな場合のそれの転用状況、つまり、行政がちょっとかんだ場合の転用状況というのは、先生お示しになりました先ほどの数字と一けた違いまして、住宅附置要綱ででき上がった住宅は2,272戸ございます。このうち、マンション以外に転用された数字は若干ございますが、1.8%、42戸であるというふうなことで、違法ではないという状況で転用されているのと、行政が関与した上で住宅がつくられた、それを転用するというのは、一けた違うというふうな実態がございます。それが一つ。
 その場合に、今回の場合には、単に行政が関与したということだけではなくて、そもそも、違法になるというふうな基本的枠組みがまるっきり違うという点が一点ございます。
 それからもう一つは、中間検査、完了検査、1割、4割というふうな数字を御指摘になりました。現状ではおっしゃるとおりでございます。
 ただ、これにつきましては、若干時間をかしていただきたいと思いますが、建築基準法を根こそぎ改正いたしたいと思います。その中で、執行体制、監督体制についても基本的なところで体制を強化したい。これについては若干時間をかしていただきたおと思います。

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衆16c(高層住居誘導地区)実行可能であれば、いろいろな手法をとりたい

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.22)

【質問】
 附置義務の場合に、港区で何でこんなに少ないのか。それは、ちゃんとそのことが義務づけられていて、しかも住民票をちゃんと提示するようになっているのです。先ほどのお話しだと、台帳に記入するというお話しだったのですけれども、私は、ちゃんとやるのだったら、住民票を提出するというふうにした方がいいのではないか、港区のようにやった方がいいのではないかということを申し上げておきたいと思うのですけれども、どうですか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 具体的な、住民票云々、実際、港区がどういう手続でおやりになっているのかはよくわかりませんが、違反が発生しないような有効な措置があって、公共団体が実行可能なものであるならば、いろいろな手法をとりたいと思います。

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衆17(高層住居誘導地区)土地バブル再燃の引き金とはならないだろう

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.25)

【質問】
 先ほどお答えをいただきました中身からいたしますと、約一千万円程度くらい低廉になるということを言われておったようでありますけれども、その前提になる金額そのものを現状の地価から割り出しておるということから考えますと、では果たしてこうした状況が維持できるのかどうかというのは、先ほど大臣も、需要が多くなれば活性化するのだから当然高くなるのは必然的だということを言っておられました。私は、そうしたことはあり得ると思いますけれど、むしろ今までの地価の状況はどうであったのかということを先にお聞きしたいと思うのです。
 先般、16日に発表されました短期地価動向調査結果を見ますと、一月から四月における状況というのは、住宅地はやや下落、横ばい、商業地は下落、やや下落という状況、特にこの東京を中心にするところにおきましてはまだこれが安定化しておらないということが言えるのではないか、この数値を見ますと。
 特に、汐留における第一次分の価格などを見ますと、予想に反して高価であったということが言われていますね。特に、外国からの参入等もあったということも聞きまして、これは再び地価高騰に結びついていかないのか。
 というのは、投機的心配が、先ほどから言っておるように、例えばゼネコンにしましても、あるいは金融にしましても、その他の企業のモラルといいますか、そうした点が本当に、バブルにおける破壊状況になった中で反省をし、そしてこれからあるべき姿というものを本当に打ち出しておるかどうかということを精査しますと、そうはなっていないのではないか、またすきあらばという状況の中でしか推移していないのではないかという気がしてなりません。特に私は、金融関係の方と話をしてみたときに驚きました。  ですから、こうしたことを考え合わせてまいりますと、今マイナスになっている部分をまた再びという、こうしたことにつなげていく可能性がなきにしもあらずと私は考えます。したがって、そういうことからすると、まだ下落しなければならぬのに、これをさらにまたそこで歯どめをし、押し上げる、こういう作用につながっていくのではないかということを私は一番恐れます。こうした点についての見解はお持ちですか。
【答弁】亀井建設大臣
 委員御指摘の問題に正確に未来を見通してお答えするということは、私はそんなに自信はございませんけれども、今までの経験則その他から判断をいたした場合、このたびの改正という処置が、土地の有効利用上、極めてこれが有効であるということを私どもは確信をするわけでありますから、そのことが土地の価値を高めていく。
 じゃ、価格でどうなるかといいますと、これはトータルの経済活動がどう活発化していくかというようなことを含めて、マンションへの需給関係がどうなっていくかというようないろいろな要素が介在をしてまいりますから、これによって、価格面という形になりますと、直ちにどう反映していくかということは推しはかりかねる面が私はあろうかと思います。
 しかし、このことが引き金になって土地バブルが再燃をするということには、私はなっていかない。少なくともこれは、所有権の移転に伴うもうけといいますか、そういうものにインセンティブを与えるという法律ではございませんで、むしろ所有から利用へという、そうした利用段階における価値を増殖をするということに資する法律でございますから、私は、土地の取引がバブル化をしていくという契機にはなり得ない、このように判断しております。

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衆18(高層住居誘導地区)公共施設等がある程度整備された一定の広がり

(建設委員会議録第14号、97.05.21、p.25-26)

【質問】
 そこで、高層住居誘導地区の指定対象となる容積率400%の地域は、全国4,950ヘクタール、三大都市圏で4,350ヘクタール、88%を占め、地域圏で600ヘクタールと言われています。そこで、地区指定の最低単位はどれくらいを目指しておるのか。特に東京、首都圏域ではどの程度の数のものが、地域が指定されることになっておるのか、この点はおわかりですか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 先ほど来の議論の中でも少しお答えしております。重ねてですが、お決めになりますのは、この制度をお認めいただいた上で、それぞれ都道府県あるいは市町村にお出しするわけでありますから、そこの地区ごとにお考えいただくことになりますが、御質問でございますので、あえて多少大胆な割り切りで申し上げますが、先ほど申し上げましたように、地区としてはある一定の広がり、公共施設等も周辺部がある程度整備されていることが必要でなかろうかと思っております。
 ですから、ロットとしては、やはり小さい場合には数ヘクタールぐらいになりましょうし、場合によっては、例えば私お答えしましたように、臨海部とか河川の、そういったある程度の空間がもう既に確保されているようなところでありますと、数十ヘクタールぐらいになろうかと思いますが、これはそれぞれの区がある程度周辺の住まい方を念頭に置きながら、一定の用途地域の中で、その下に地域地区という考え方を持って決めますので、それぞれ各公共団体にお考えいただきたいと思っております。
 それから、先ほどちょっと御質問がありましたようなことで、遊休地とか未利用地なんかについての御懸念があります。もちろん、私どももそういうところは、場合によっては今申し上げたエリアに入ってくることもあろうかと思いますが、先にそういうところをプロットしておいて、それを拾っていくというのではなくて、はっきりと申し上げて、やはり都心に住んでいただくいい環境、これを将来つくるためにどこが適切か、それは交通機関、施設等の各種施設の配置状況も考えながら決めていくわけでございますから、結果において一部そういうものが含まれることも否定できないと思いますが、状況としてはまず今申し上げたようなロットじゃなかろうかと思っております。

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◆参議院建設委員会会議録

法律案の趣旨説明

(参議院建設委員会議録第12号、97.05.29、p.1)

 ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由および要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、近年、長時間通勤の増大等をもたらしている都市構造の現状にかんがみ、土地の有効利用を通じて利便性の高い高層住宅等の供給促進を図り、職住近接の都市構造の実現に資するため、容積率制限等について合理化等の措置を講ずるものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、都市計画に高層住居誘導地区を定めるとともに、同地区内の建築物については、その住宅割合に応じて容積率を最大600%まで引き上げるほか、建築物の形態制限について所要の合理化を行うこととしております。
 第二に、共同住宅の容積率算定に当たって、その延べ面積から共用の廊下または階段部分の床面積を除外することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。

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参1(その他)都心の土地を有効に活用するための緩和である

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.6-7)

【質問】
 先般、大臣の方から今回の改正案の提案理由の説明を聴取いたしました。その中で、「長時間通勤の増大等をもたらして」云々と「職住近接の都市構造の実現に資するため、」というような文言があります。
 ただ、もう昔から、20年も30年も前から通勤地獄というような言われ方もありますし、大臣も学生時代からそういう通勤地獄というんでしょうか、そういう中で過ごされていると思いますけれども、なぜ今回こういうような理由でこの容積率の緩和ということを持ち出したのか。
 確かにバブル期に都心三区というようなところではかなり減ったことは間違いないわけですが、しかし二十三区レベルで言うと、ニューヨークであれあるいはロンドン、パリであれ、やはり人口密度で言えば我が東京が最大の密度を擁しているわけでありまして、何ゆえ今回都心を中心にしながらも職住近接というようなことを打ち出したのか、ちょっといま一つ理解できないものですから、教えていただきたいと思います。
【答弁】亀井建設大臣
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、我が国は自由主義国家でもありますし、自由主義経済の国家でもありますから、国がここに住め、あるいはここで働けというような公権力による直接間接の規制ができないのは当然でありますけれども、そういう中で都市がいわばスプロール現象みたいな形で、自然に任せる形で形成をされていったという性格は非常に強いと思います。
 そうした中で、特に東京の場合ひどいわけでありますけれども、地価が高騰をしたという一つの大きな原因もありますけれども、都心に通うサラリーマンが家を持とうとする場合、相当遠方に追いやられていくという現象がずっと続いておるわけでありまして、そうした状況がこれはやむを得ないことなのか、あるいは都心部においてもっと法的な規制その他等をきっちりとやっていった場合、何も郊外に住居を求めなくても都心に住むことができるのではないかという、そういう面が反省でありますけれどもあろうかと思います。
 そういう意味では、現在の都心における土地が各自有効に利用されていないという、そういうことをやはり解決していくということにはこの容積率等の緩和ということが有効であるということでございます。今後サラリーマンが郊外の方が全部中に戻ってくるかというと、必すしもそうでもないかもしれませんけれども、遠い、二時間もかかって押しくらまんじゅうで通っているようなサラリーマンがそういう面では人生の大半をそれに費やすわけでありますから、もっと職場に近いところあるいはデパートを含めて利便なところに住みたいという希望をかなえていく一つの方法としては、現在もっともっと活用されていい土地が活用されていないということに着目をしたわけでございます。
 この政策がぴたりとすべての問題を解決するということにはなりませんけれども、その一助にはなろうか、このように考えております。

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参2a(その他)都市構造が目的だが、間違いなく反射的効果がある

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.7)

【質問】
 経済的な側面は反射的効果としてあるかもしれませんよというような御答弁でございましたが、実はこの景気の側面が第一次目的であって、職住近接というのはそれこそまさに反射的効果にすぎないのではないかというような思いを持つんですが、この点いかがでしょうか。
【答弁】亀井建設大臣
 どっちが反射してどっちが反射する、乱反射という場合もあろうかと思いますけれども、私どもはそうした都市構造をこの際職住近接という観点を加味したものにしていこうというのが、今本当にすごい通勤地獄でありますから。もっと言えば茨城だとか群馬だとかそのあたりと都心との交通インフラ、これが高速鉄道を含めてきっちりと整備されれば、私は何も東京都内にということじゃなくてもサラリーマンの精神的、肉体的なあれは相当軽減されるのではないかと思います。しかし残念ながら、JRにいたしましても私鉄にいたしましても、どんどん増大していく首都圏の近郊の住宅地に対する交通需要に応じ切れていないというのが私はやっぱり実態であろうと思います。
 そういう意味では、やはり都心にサラリーマンに居住してもらうということがそういうことの解消の一つのあれには私は間違いなくなる。ただ、じゃ経済効果がないと片やおっしゃる、私はやはりあると思います、反射効果として。例えば、現にそうなんですわ、今建設省に寄せられているのが、いつこれが成立するのかということでぽんぽん電話がかかってきているわけです。
 これは簡単に言いますと、地域指定とは関係なしに例の廊下、それと階段部分があれされますから、そうすると、今共同でマンションの所有権を持っておられる方なんかがたくさんいらっしゃるわけです。組合をつくって居住しておられる。ところが、何十年もたって老朽化してしまった、建て直そうということになりますと、資金をどうするかという問題でなかなか前に進まない。そういうときにこの制度が生まれますと大体二割ぐらいアップしますから、そういたしますと二割ぐらいふえた部分を売ることによって、そうして自分たちの改築の費用についてこれを出したいというような、実際これは大変な需要が現在起きております。
 そういうような面からもそうした建築面についての内需といいますか、これが出てくる可能性も私は強いと思いますし、また新しくマンションを建てようという、土地が有効ならば使われるわけでありますから、マンションの占める地価の割合が低くなってまいりますから、そういう意味でも、これが事業者との関係でより安いマンションが供給でき、それだけ売れるんじゃないかという、そういう判断からマンション建築をやろうという意欲が出てくる可能性があると思います。そういう意味では、間違いなく反射的な効果ですけれども大変な反射熱が起きるという可能性があり、このことはいいことだ、このように私は思います。
 一方、土地の騰貴ということを言われますが、これは経済の実勢がどうなっていくかということ、また需要供給との関係で決まっていくことでありますから、このことがダイレクトに地価の上昇ということにはなっていかない、このように私は思います。

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参2b(その他)向こう10年間で10万戸前後を上乗せしたい

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.7)

【質問】
 その反射的利益というか効果の面ですが、どの程度の戸数というんでしょうか、何万人が反射的効果、利益を受けられるのか。つまり、通勤緩和というか通勤地獄を少しでも緩和したい、何万人ぐらいあるいは何世帯ぐらいそういう恩恵が受けられるという計算でおられるんでしょうか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 なかなか現実の制度を動かすときに緻密なシミュレーションを行うというのは難しいわけですが、一つの考え方といたしまして、昨年つくりました大都市法に基づきます大都市地域における住宅供給計画というのがございます。これにつきましては、平成8年度から向こう10年間で共同住宅を都心部で50万戸というふうな推計をいたしました。そういうふうなときに、年間に置き直しますと、今後約1万戸くらい上乗せをして、向こう10年間でこの政策によってできるならば10万戸前後を上乗せしたいというふうな形で現段階もくろんでおります。
【質問者】
 にわかに信じがたいんですが、東京都のマスタープランでも10年間で62万戸、ただそれは建てかえも含めてですから、実際にふえるのは5万戸ぐらいというような計画になっているわけです。そうすると、5万世帯ぐらい恩恵をこうむるかもしれないというわけで、長時間通勤から解放されるのはそんな程度しかないんじゃないだろうか。そういう数の上からいっても、今の立法目的というのはどうも合点がいかないというふうに私は思っております。

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参3a(高層住居誘導地区)ばら建ちを避ける意味で一定の広がりを

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.8)

【質問】
 いろんな懸念が、先ほど申し上げた懸念が最大の懸念材料なんですが、都市の景観とかそういう点から考えても、先ほど地域全体というような言い方もありましたけれども、今度敷地ごとにいろいろ考えていくわけでありまして、ばらばらにのっぽなビルが、もちろんペンシルビルではないという形でしょうけれども、なっていって、何か都市がぎざぎざの構造になっていくというか、夜景のシルエットが、そんなふうに思うのでありますけれども、こういうばら建ちというか、そういう点についてはいかがなんでしょうか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 基本的に、都市計画の手順から申し上げますとくどくなりますが、用途を決めます。その用途の中に今お話し申し上げているような補完的措置として新たな高層住居誘導地区というのを決めますので、これは先生おっしゃったようにある街区といいますか、小さな敷地を念頭にしたゾーニングではございません、もっと広い都市全体を見込んだところでございます。
 むしろ、我々としてはこうしたゾーニングをした上で、かつ御心配のあったようなことを解消していく面では、従来からとっております地区計画、その他あるいは建築協定とか。そういうような個々の敷地等に係る制度というのはあわせてやっていくことの必要性は十分認識しておりますが、ばらばらに細かく建ち上がるということをむしろ避ける意味で一定の広がりを固めて地区指定をしていくという考え方をとっていきたいと思っております。

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参3b(日照と都市のあり方)国としても日影規制を外す考えを打ち出した

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.8)

【質問】
 先ほども話が出ましたが、日影規制適用除外をする、それからまた斜線規制も緩和していく、あるいは前面道路の幅員の緩和をしていくというようなことからすると、今まで例えば400%というような地域でやっても実際には280%であるとか、そんな感じで建っていたわけです。今度はそういう緩和あるいは適用除外になってくると、もう今まで以上にそのまま600%という形でくる、かなり地域に対する影響が大きいんではないだろうかというふうに思うわけであります。
 都市の利便性を考えたら、日照というような部分は、日影は我慢すべきであるというような言われ方もあります。ただ、それは行政法規上考えるだけであって、個々人が持つ日照権というか、それまでは奪うことはできない。そうすると、昭和40年代後半、かなり日照権紛争というのがありました。何かマンションとかビルが建つときは必ず周りに旗が立つというか、むしろ旗が立つような日照紛争というのが多く生じましたけれども、今回の改正に当たってはその辺の紛争の回避措置というか、そういうことは考えておるんでしょうか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 今回の法制度自体でいろんなトラブルが発生した場合の対応措置というのは特段ございません。ただ、基本的にはやはりこういう巨大化したあるいは高密度化した住まい方の場合に、日影というふうなものについても、先ほど公共団体の条例で一部既に外しておると申し上げましたが、やはり国の制度としてもそういう考え方はきちっと打ち出していくべき時期に来ているという認識が一つございます。
 また、現実のトラブルにつきましては、制度の枠外で社会的に発生しているのは事実でございまして、これを制度的に解決するというのは事柄の本質上なかなか難しいとは思いますが、できる限りいろんな話し合いを通じてというのは当然なことでございまして、私どもとしましては、公共団体の要綱だと思いますが、全国で百くらいの地域で紛争予防防止条例とか要綱というものを既にお持ちの公共団体がございます。一汗も二汗もかいていらっしゃるというふうなことがございますので、そういう場を通じてできるだけ社会的な価値観の間題として法律の思想なり考え方が定着していくのを期待したいという考えでございます。

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参4(その他)政策的判断が終わっていたので直ちに提案した

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.9)

【質問】
 先ほど来話しにもでておりますが、初の通常国会提出予定法案にしないでこういう形で追加提案になってきたことは、私ども新聞報道ではある程度拝見しているんでございますが、きょうは亀井建設大臣に直接、通常国会には間に合わなかったけれども今回出すことにしたと、その辺のいきさつといいますか、考え方につきましてお伺いしておきたいと思います。
【答弁】亀井建設大臣
 御承知のように、今、政府は規制緩和を思い切って進めておるわけであります。建設省もそういう観点から精力的に取り組んでおるわけでありますけれども、建築基準法あるいは都市計画法等の中であるべき都市の姿、それに関するいろんな規制が現実に合っていない。また、都市政策の推進上、やはり規制を場合によっては思い切って緩和すべき点等を精力的に検討いたしておったわけでありますが、私は次官以下に、とにかく現時点においてこうすべきだというもう判断をしておるもの、検討中は別でありますが、こうすべきだという政策的判断を既にしておるものについては直ちにやれということを私は指示したわけでございます。
 この容積率の問題等にしても住宅局、都市局等においていろいろずっと検討をしておったようでありますけれども、このたびの改正の視点でこれはきっちりとすべしという結論を出しておったわけでありますから、そうであれば来年の通常国会というんじゃなくて、今通常国会にこれを出せということで至急作業を急いでやっていただいたということでございます。

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参5a(高層住居誘導地区)それなりの環境を考えて混在系地域に限った

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.10)

【質問】
 ちょっと細かいことを御質間しますが、今回商業地域が外された理由、松谷先生も質間されておりましたが、もう一回改めまして今回の施策の中で商業地域を外した理由をちょっとお答えいただきたいと思います。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 今回の高層住居誘導地区をもともと決める際には、本来的にはやはり住宅として立地をさせる意味では、それなりの環境を我々は守っていかなきゃならないと思っております。
 そういう意味では、もちろん商業地域の中に住宅系の立地も当然あり得るわけでございますけれども、まず今大臣が申し上げましたように400%という一定の高度利用は前提としつつも、むしろ混在系の中で住宅系の建築物を整備していくということを第一のねらいにしておりまして、結果的には商業地域の中に住宅系をこれからどういう形で整備していくというのは別の形としてはあろうかと思いますが、基本的には混在系の中でどちらかといえば住居系が押しやられているようなところで住宅に限ってインセンティブを与えていきたいというのが今回の地区の考え方でございます。

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参5b(高層住居誘導地区)400%は非住居系の立地多く、日影の適用がない

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.10)

【質問】
 それから、400%以上にしましたですね。結果は400%以上といっても400%しかない地域ですから、400%のところに限ったということになると思いますが、300%とか200%とか、そういったことにする考え方もあり得ると思うんですけれども、そこを400%に限った理由はどういう理由ですか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 お答えとしては二つぐらいあろうかと思っております。
 一つは、先ほど申し上げましたように混在系の用途の中で住宅系が比較的押しやられているといいますか、新たな住宅が立地しにくい傾向が認められるということがデータ的にもあるようでございます。今お話のございました200とか300というのは、地価の負担能力の間題もあろうかと思いますが、比較的まだ住居系が商業系その他の業務系とある程度対峙した形で立地しているという傾向が数字的にはございます。そういう意味では400%というのは圧倒的にいわば非住居系が立地しておりますので、このあたりにまず目を当てたというのが一つの理由でこざいます。
 もう一つは、先ほど来お話に出ております今回のいろんな規制見直しの点で日影問題というものについて取り組みたいと考えておりまして、これは東京都以外でも例はございましたけれども、従来の基準法の世界で既に条例等を含めまして各公共団体が一応400については日影を適用除外にしているという実績がございますので、こういう実績に基づいて我々としても400をまず最初に始めたわけでございます。
 くどいようでございますが、300%になりますと、先ほど申し上げましたように現在の全国で4,950ヘクタールという400%の容積を持っておりますところに比べまして約十倍近くの地域がございますので、ここまで広げてしまいますと、なかなかこれは一挙に都心居住といいましてもいろんな種々の問題があろうかと思います。むしろ地方公共団体との今のお話し合いの中では、今回のこういう施策にある程度御同意いただく中では、逆に都心居住を見込むのであれば、もう一度300を400に見直す等の手続、手順を踏みながら今後の展開を進めていきたい、こういう公共団体が現在ございます。

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参6(高層住居誘導地区)地元が第一義で、強引に押し向けることはない

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.13)

【質問】
 例えば、これを推進していく上において住民を中心とした区の考え方と、東京都あるいは建設省なんかがいろいろやってきている中で相対立する関係が発生しないとも限らないですね。場合によってはそういう場合も発生するだろうと思うんです。その場合には、都あるいはまた県なりそれぞれの自治体との間で起きた場合においては、建設省はどういう態度をとりながら調整の任をとるんですか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 今のお話は、一般的に各公共団体と国という立場での建設省とどういう関係かという御質問だと私は理解いたしておりますが、もともと各都市計画はそれぞれの地方におきまして御自分の御判断で一定のプランがつくられると思います。その過程におきまして、我々も御相談があればそれぞれの町づくりに対して私どもの過去の経験あるいは他都市の先例等もベースとしてお教えできることもありますので、今までも協調関係でやってまいりました。したがいまして、今後も、この都心居住だけではございませんが、国土づくりあるいは町づくりという視点で各公共団体と私どもは緊密な関係でやってまいっていると思います。
 その際には、先ほど来申し上げておりますように、まず第一義的にやはり各公共団体のお考えが十分示されることが先でございまして、余談でございますが、現在でも建設省の中には各公共団体が気楽においでいただけるような形でのそれぞれの町づくり相談室というのを我々都市局の中にも設けさせていただいておりまして、公共団体の方々の敷居が高いという御意見がないように体制としては進めておるところでこざいます。
【質問】
 そうすると、こうしたものの推進に当たって一番大きな比重を持つもの、徹底に当たっての比重を持つものは現地であり区であると、このように認識してよろしいんですか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 おっしゃるとおりでございます。
 ただ、一言だけ申し添えさせていただきますと、東京とか大阪の例もそうかと思いますが、我が国の国土全体を眺め渡したときに、やはり二大都市圏あるいは三大都市圏というのはかなり広域的な間題としてこの問題に取り組まなきゃいけません。そういう意味では、一般的に地方都市と言われているところよりは相互の公共団体間の連携あるいは国との関係はもっともっとさらに重要度を増していると思いますが、おっしゃられるように基本的にまず原案をつくる立場からいきますと、都なり区の立場は私は大変重要であろうと思っております。
【質問】
 重ねて伺いますが、それぞれの地域の住民が反対をしたり、あるいはまたかなり大きく区全体の調整がとれない場合においては、これはたとえ建設省がこの辺で一仕事やりたいなと思う場合があってもそれはできかねると、こういうふうに理解していいんですね。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 国の立場から建設省は、東京都あるいは首都圏というものをどうつくるべきかということはもちろん基本に私ども持っていることもございます。ただ、今、先生おっしゃったように、地元が相当トラブるようなケースまでを我々が無理に強引に押し向けるということは本来あり得ないことでございます。
 ただ間題は、やはり国土あるいはそうした都市空間というのは個々人のものではなくて、広く各住民がある一定の利害のもとに調整をしていかなきゃならないわけでありますから、その辺については逆に各住民の方々にも十分御理解いただくような努力は都なり区がおやりいただくでしょうし、そのいわばバックアップをすることは我々はやぶさかではございません。

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参7(高層住居誘導地区)600%は都市居住として市民権を得つつある

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.18-19)

【質問】
 600%というのはどういう住環境なんでしょうか、住宅局長。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 まず600%というのはどういうイメージかというふうなことから申し上げたいと思いますが、実は先般当委員会でも芝浦かいわいを御視察いただきました。御記憶かどうかはよくわかりませんが、あそこの運河沿いをバスが少し回ったと思いますが、あのかいわいに散見されている建物の中に、総合設計でございますが、500%あるいは600%という住宅が相当数ございました。なかなかすばらしいというふうに評価したのは私の個人的な評価でございます。
 それから、若干個人的な話は離れまして、客観的に中層住宅あるいは高層住宅が現実どのくらい供給されているかということでございますが、400%以上の統計しかございませんが、平成七年度一年間で、東京区部ですが百件を超えております。また、その中には500%、600%というふうな水準のものも相当程度現に含まれております。
 それで、一般的に価格の面、どこまで客観性があるかは別でございますが、高層住宅の場合には上層階ほど値段が高いというのもこれまた周知の事実だろうと思います。
 そういうふうな意味合いからは、やはり都会に住む人間の居住のありようとして相当程度まで既に市民権を得つつある、相当程度というよりはむしろそういう生活スタイルを好む方々がかなりの割合を占めつつあるというのが率直な現実ではないかと思います。

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参8a(高層住居誘導地区)地区計画は特例的補完措置で事前明示性がない

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.19)

【質問】
 今回のこの法律との兼ね合いでこざいますが、用途別容積型地区計画というのがあって、各区が各地域や住民の方々と話し合ってさまざまなボーナスの容積率をつけていけるような制度があるにもかかわらず何で今回の法律が必要なのか、その辺を教えていただきたいと思います。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 お話がございました用途別容積型地区計画は、御承知だと思いますが平成2年に創設されておりまして、それ相当の実績を上げてきたと私は思っております。
 最近までで9地区で全国で553ヘクタールということで、この数字をどう見るか、いろいろあると思いますが、お話のございました中央区ではそのうちの5地区で約7割を占めておりますから、いわばお話がございました用途別容積型地区計画についてはまさに中央区が本家みたいな感じだと思っております。お話にございました中央区など、日ごろから我々が感じておりますのは、現在の制度がない段階で、彼らなりにと言ったらあれですが、中央区なりに御議論した結果、用途別容積型地区計画を使っていただいておりますので、私はそれなりの姿勢として多としております。
 ただ、今回の場合は、先ほど来の御説明と重複いたしますが、全体の用途の中に一定の事前明示制といいますか、あるゾーンとしての広がりを持った地区、エリアを一定のいわば容積の特例的な補完措置として今回はイメージしておりますので、そこの地区が全部600%になるわけではございませんけれども、一定のそういう要件緩和をさせていただいている。
 地区計画の場合にはそういう事前明示制はなく、ある程度の敷地がまとまれば、あるブロック単位で計画をなされば連檐した地区としてできるということであります。
 条件的には、先ほどお話がありまして、住宅局長からもこういう環境はというお話がありましたけれども、私どもくどいのでありますけれども、個々の建物で議論しておりますとどうも視野が小さくなるような気がいたします。一定のやはり面的広がりの中で、個々の建築物もいい建築物をつくることが必要だと思いますが、その周囲にどういう環境が兼ね備わっているか、あるいはつくっていくかということによって随分都市環境は私は変わってくると思います。
 くどくなりましたけれども、地区計画といわば今回の制度の間にはオーバーラップはもちろんしておりますけれども、レベルの違いということで御理解いただければと私は思っております。

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参8b(高層住居誘導地区)ゾーニングなので地区計画よりエリアが広い

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.19-20)

【質問】
 そして、中央区が特別であったかもしれないけれども、中央区は私はりっぱな町づくりをしていると思うんです。結局、メニューがないからメニューをつくるというならわかるんですけれども、この計画に対してのメニューは中央区だけじゃなくて、港区も千代田区も使っていい計画なわけです。それに港区も千代田区もいわゆる地域コミュニティーの回復とか学校の統廃合の問題から、人口が欲しくて欲しくてたまらないというインセンティブをみずから持っているわけです。そういうところが自分たちが使えるメニューがあるのもかかわらず、その上に建設省が屋上屋を重ねる。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 それから、今同じ制度でありながら屋上屋じゃないかというお話がございました。私の説明が多少舌足らずだったかもわかりませんけれども、地区計画というのは、ある一定の街区といいますか、狭いか広いかという表現は多少稚拙でございますけれども、かなり狭いところで連檐しておりますけれども、一定の計画がお互いに同意できれば地区計画を決めていく、これはもちろん地区計画でございますから相当広くなる場合もあろうかと思います。ただ、今回のゾーニングにつきましては、それよりもさらに大きなエリアを一つのビジョンとして各公共団体がお決めいただいた中で、それぞれそのゾーンの中でいろんな手法、例えば今お話に出ているような地区計画の一つのタイプもお使いいただくことは十分私は可能性があると思っております。
 私は、中央区の方々とも御議論させていただきました。彼らは言っておりました。私どもは今地区計画で進んでいるから今のところは基本的にはこの方向で行きたい、しかし我々として今回御議論いただいている制度そのものを否定するわけじゃないし、新しいメニューができたということで認識している、こうお話しがありましたので、私はそのとおりに受けとめたいと思っております。

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参9(高層住居誘導地区)相談は受けるが、国から名指すのは無理

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.20)

【質問】
例えば都心にたくさんの土地を持っている地権者がいたときに、その人がその土地を活用してくれるように木下局長が働きかけていきたいと言いましたね。これはどういうふうに私はとらえればいいでしょうか。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 もう一度確認的にお答えする方が適切かと思いますが、私が申し上げたのは、先生も今御質問がありましたように、従来からコミュニティーがあるときには、そこに地権者がおうちを建てられて、あるいは借家人がおうちに住まわれているというケースであろうかと思います。
 そういうような意味でのコミュニティー崩壊につながるような仕掛け方ではないのかということに対して、今は空間である、空間といいますか更地である、あるいは低未利用地であるというときには、その低未利用地の活用について例えば東京都あたりが都心居住についてここのところはぜひ進めていきたいということがあれば、先ほど申し上げましたようにそのことについてどういう使い方があるかということについての御協力といいますか御相談があるのはやぶさかじゃありませんが、我々の方からそこの地区について、ぜひここを例えば今回の地区にしろとか、あるいは何階建ての建物を建てろというふうな形の言い方はどだいできるはずもありませんし、考えているわけではありません。もしその意味での言葉が足りなかったとすれば、そういう趣旨でございます。

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参10(高層住居誘導地区)最大公約数を求め、互いの協調に期待したい

(建設委員会議録第13号、97.06.03、p.20-21)

【質問】
 今までの地区計画というのを区が主体になってやっておりましたのは、例えばブロックとか街区とかで細やかに地域の特性であるとか成り立ちとかいろいろなこと勘案して、みんなが納得した形で再開発を進めていきましょう、そこに区が容積率をボーナスとしてプレゼントしてくれる、こういう話しだと思います。でも、今のお話しを伺いいたしましたところ、規模によって少し変わってくるんだと、もっと広いゾーンで今回の法律改正でとらえていきたい。そういった場合に、例えば今度いきなり600%の容積率をもらったマンションが建つ、あるいは建つんじゃないかということで住民の皆さんは非常に不安が大きくなると思うんですわ。この不安に対して都市局長からお答えをいただきたいと思います。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 現在の用途地域は御承知のように12の区分でございまして、以前の8から12になりました。この件につきましても各公共団体は大変御苦労いただいて、新しい用途地域をついせんだってまでにまとめていただいておるわけであります。
 御質問のありましたたまたま東京都の場合の例でちょっと申し上げますと、用途地域の変更が平成8年の5月に決定しておりますが、その間にそれぞれ区なり市町村、村はございませんから市町におきましての素案の住民説明を全部で504回やっていらっしゃるようでありますし、それから都におきましての素案についての公聴会を12回しておられます。それに対していろいろ縦覧の際に意見書なども200通ばかり出ております。
 私は何を申し上げたいかといいますと、今お話のありましたように、例えば用途という大変大きな地域を決めることに関してもこういうふうな手続を踏んでいるわけでありますから、自分の住んでいるところをどんな色に塗られるか、当然それぞれの方々に御関心があることは言うまでもないわけでありますが、そうかといって一戸一戸のおうち、一個一個の画地について全部の要望を入れていたのでは恐らく都市計画そのものは成り立たないと思います。そういう意味では、最大公約数を私ども求めていくという手だては都市計画の原則だと思っております。
 したがいまして、できるだけそのプロセスあるいは内容について透明性を増していくとか、あるいは皆さんの御意見を聞くということについては、各公共団体は精いっぱいやってきていると思いますし今後ともやられると思いますから、今おっしゃったように、やぶから棒に上からおりてそれぞれの意向を全く無視した形でできる制度でもありませんし、逆に個々の方々の御意見がすべて満足するまでは都市計画は打てないということも現実的には非常に不可能だと思っておりますから、その辺の両々がお互いの協調の中で成り立つことを我々は期待したいと思っておりますし、そういう制度であってほしいと願っております。

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参11(その他)住民、市民に限りなくわかりやすい制度にしていきたい

(建設委員会議録第14号、97.06.05、p.3-4)

【質問】
 これはやはり国、都道府県、市町村、それぞれの行政レベルの問題でもあると思いますし、あるいは事業を行おうとしている事業主体の問題でもあるかと思いますが、何か我々日本人全体の問題かもしれませんが、そういう住民の方々によく理解してもらえるような工夫といいますか、それがちょっと足りないのではないか。やはりもともとは、江戸時代の言葉としては、「依らしむべし、知らしむべからず」というような話があったわけですけれども、都合のいいことは話すけれども、都合の悪いことは余り話さないという部分もあるんですね、何となく。しかし、実際はそこまで行く前に、本当はでき上がれは非常にいい計画で、でき上がってしまいますとみんなが喜ぶようなそういう計画が、そのずっと前の段階でとんでもない反対運動が盛り上がって、結局実現ベースにこぎつかないという実態があるんです。
 私のささやかな経験で、もう大分前の経験でございますが、アメリカのワシントンDCにお邪魔したことがあるんですが、そのワシントンDCのあのビルが、DC全体の行政庁のビルであったか都市計画部局のビルであったかというのはちょっと記憶があいまいなんでございますが、いずれにしてもそのビルの最上階に何と絵かきさんチームがいたんです。10人以上の絵かきさんがずらっといるんです。もちろんそこへわざわざワシントンDCの人が私どもを案内してくれまして、これ何だかわかりますかと。
 これは、そのビルの中の行政庁で企画されるいろんな計画が全部最後は上に上がってきて、そこで絵にかかれて、それでその絵でもって住民に説明に入る。そして、あと絵が出た先は、今度はその絵の修正という形で議論をして、それである程度話がついた時点でその絵かきさんチームがまた下におろして、今度は専門部局でルールを決めていくと、こういうやり方をしているんですよという話でございまして、これはなかなかやはり工夫しているなと思ったんです。アメリカの場合は、言葉の通じない、そういう多民族国家的な部分もありますから、多民族じゃないですな、あれは、人種が多いと言うことの方が正確だと思いますが。
 とにかく、そういうような中でいろいろな経験を積んで、いろいろ工夫してきた結果がああいう経験になったのかなと思うわけでございますが、これは国レベルの問題よりは、もしやるとすれば市町村レベルの話あるいは特別区レベルの話じゃないかなと思うんです。
 この間、委員長以下でこの法案の対象地区を回りましたときは、港区と中央区を回ったんですが、特に中央区で私どもを案内してくれた担当の課長さんはもうその地区すべて熟知しているんですね。それで、いろいろ会話を交わしてみますと、単に地区を知っているだけじゃなくて、そこに住んでいる人一人一人も知っているんです。それで聞いてみますと、あそこでもう十年ぐらいやっているみたいですね。そうしたら、前回の御質疑の中で、総合設計制度でしたか、それが全国で適用された中の大部分が中央区で、中央区のためだけにできたような制度だというようなやりとりがありましたね、地区計画でしたか。やっぱり、ああ彼がいたからかなというふうにも思いました。
 だから、何も絵をかくだけが工夫じゃないと思います。そういう人がいる、そういう人的パワーの問題もあろうかと思いますが、何かそういうことをそれぞれが工夫すればいいじゃないかというような感じもしますが、ソフトとかハードとかという言葉は余り適切でないかもしれませんが、もう少しソフト面でそういった工夫がある程度進むような努力というのを、建設省の都市計画行政を推進するあるいは住宅行政を推進する、特にそういう建築基準法のように非常にきめの細かいことを推進するとなると、もうとにかく私なんかでも、個人的にちょっと建物を建てたりなんかするときに基準法関係なんてもうわけがわからぬくらい難しいですね。そういったようなことも含めて工夫する必要があるんじゃないかなと思うんです。
 これは質問の形式にしますと皆さん答弁大変なんじゃないかなということも若干思いながら、ちょっと自分の駄弁を弄し過ぎてしまったんですが、やはりそういう一工夫はあってしかるべしということにつきまして、前向きに御答弁できる方はひとつ御答弁いただきたいと思います。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 前向きのお答えになるかどうかと思いますが、まさに大変示唆に富んだ御指摘をいただきました。
 我々も日夜悩みながら取り組んでいるテーマでございますが、歴史的にというと少し大げさでございますが、やっぱり都市づくりという際に、住民なり市民と行政、そういうものとがどうつながるのか、あるいは都市と住民とがどうつながるかと考えますと、ある時期には大変強力なリーダーのもとで町に立派な計画があって、多少の時間はかかるかもわかりませんけれども整然とした町をつくり上げた、そういう歴史なり都市もあろうかと思っております。しかし、最近の都市づくりの中では、限りなく住民の意向もしっかり尊重する方向というのをできるだけ重視しろという御指摘の方がいささか多いような感じも持っております。
 したがいまして、これからの進め方として、我々は今回お出ししております法律もそうでございますが、押しなべて都市計画法なりあるいは建築基準法の世界もそうだと思いますが、住民の方々、市民の方々にその内容、制度を限りなくわかりやすくしていく、先生お話のあったビジュアルな形ももちろんでございますが、手続、システムとしても大切だと思っております。
 多少くどくなりますが、ステージとしては、例えば線引きとかあるいは用途とかというエリアを決める段階、あるいは個々の事業をやる段階、さらには前後いたしますけれども、町づくりのマスタープランとかそういうものをつくる段階とか、それぞれ住民の方々には公聴会、説明会等を積極的にやっておりますし、たしか平成4年の都市計画法改正も先生おやりいただいたわけであります。その際にいろいろ通達などを、私ども今からもう一度振り返っておりますが、大変きめ細かく各公共団体に対しても指示をしておられます。十分とは言いませんが、その線で我々今も取り扱っておりますが、できるだけ私ども資料をつくるだけでなく、その資料が浸透していく手法をもう少し考えてみたいと、こう思っております。

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参12(日照と都市のあり方)都心の幸せを削るのでなく、譲り合いである

(建設委員会議録第14号、97.06.05、p.6)

【質問】
 区がやろうと思ってもなかなかできないことを今回建設省がやってしまおう、そこにはどこかにひずみが出てくるであろう、このことを大臣は明確にお話をしております。都心に今住んでおられる方の幸せの中から一部を削り取るんだと、このようなお話だったと思いますけれども、建設省は今住んでおられる方の幸せを少し削り取って通勤地獄に悩んでおられる方を都心に住まわせる、この大臣の御発言を建設省の立場として容認するのか否か、政府委員の方にお伺いしたいと思います。
【答弁】木下政府委員(建設省都市局長)
 大臣はよく御自分は言葉が足りないとおっしゃられましたが、決して私がそばで御一緒させていただく限りでは、むしり取るとか削り取るということではなくて、むしろ都市環境、都市景観というのは多くの方が共有しているわけですから、そこはお互いに譲り合っていくべきではなかろうかということをおっしゃられたと思います。それは一例で申し上げると日影の問題であったと思います。
 したがいまして、私どもは公共施設がある程度整備されたところを今後東京都なり区が恐らく都心居住対策の一環としてこういう区域の設定をお考えになると思いますが、そのときに既に多くのオープンスペースができているところは私はさほど今おっしゃったような従来居住者の問題はないと思います。
 問題は、既にお住まいになっている比較的低利用のところを今後ある一定のそういう容積をかぶせていくことによってより高層的な有効利用を図っていくときに地元とどう調整するかは私もなかなか大変な問題であろうと思います。ただ、新しい都市環境といいますか都市問題を私は各個人個人がいろいろ論議する中で御同意がいただければ、そこはむしろ都心のすぐれた環境を使う一つの住まい方としてこの高層住居誘導地区というものは十分私は支持をしていただけるんじゃなかろうかと思っておりますし、そう願っております。
【質問者】
 大臣に聞いてないですよ。
【答弁】亀井建設大臣
 いや、聞いてないったって、それはあなた、私に関することをおっしゃったんで、特に傍聴者の方もいらっしゃいますので、私の発言を一方的にねじ曲げてこうだろうという形で、しかも部下との離間を図るような御質問をされるということは極めて心外でありますので私は申し上げますが、削り取るなんて、それはあなたの発想であろうと思います。
 私が言っておりますのは、みんなでお互いに幸せになっていくということで、譲り合うことは譲り合っていかなければならないということを言っておるわけであります。あなたのように対立をするという発想は私はございません。お互いに助け合って譲り合っていくということだけでございます。あなたのその対決の発想と私の融和の発想はもう決定的に違うということを申し上げておきます。

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参13(高層住居誘導地区)高層居住もそれなりに解決がつく問題だろう

(建設委員会議録第14号、97.06.05、p.6-7)

【質問】
 計画的に、例えば着いうちならばこういう環境でもいいだろう、あるいは都心にどうしても夜遅く働く人にはこういうライフスタイルもあるだろう、そこまで細分化して計画をされているのならば私はそれも一つの考え方であろうと思います。  しかしながら、今回の計画には先ほども申し上げましたようにほとんど計画性が見られないと思います。その一例として、この前の日照の問題もあるでありましょうけれども、高層あるいは中層でも構いませんけれども、そういう高さが高いところに住む住環境というものに対する研究が建設省においては十分に行われていないだろうと考えるからであります。
 ここにいろいろな資料がございますけれども、さまざまな問題がありますので聞いていただきたいと思います。
 これは一つの例でございますが、まず高層階に住む方に不妊が多い、妊娠が途中でストップする方が多い、高い階に住んでいる子供が外に出歩かなくなる率が高い、犯罪が多い、子供がいろいろな生活習慣を覚えるのが遅い、あるいは幼児の虫歯が多い、それから心身に変調を来すなどのさまざまな問題があります。
 これは、例えば計画的に都市づくりをしよう、このマンションにはこういう人たちに住んでもらおうという計画があれば、こういう研究は私は進んでいてしかるべきだと思います。逆に言うと、こういうデータが少しずつそろってきていますので、諸外国においては高層居住ということに関して見直そうなどという動きもあるかと思います。質問ばっかり多いんですけれども、短く御答弁をお願いします。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 まず、住宅政策あるいは住宅計画と計画性というふうな関連でございますが、こういうふうなプロジェクトの場合にはかくかくしかじかの住み方を念頭に置く、ないしは住んでもらいたいというのは私は行政としては若干僭越であろうと思います。行政ができるのは、いろいろな住まい方について高度な、多様な選択の可能性をきちっと準備するというのが私どもの政策あるいは役所としての務めだろうと思います。決めつけることはいたしません。
 それから、高層住宅での居住、これは確かに日本にとっては新しい居住形態でございます。私どもも十分な関心を持っております。また、先生今御指摘になりましたように妊娠あるいは児童に対する影響、そういうことを指摘される方もいらっしゃいます。がしかし、そういうふうなところの論述の根拠をよくよく見ますと、たまたま外出不足になることが多いとか、母子ともども比較的家に閉じこもるケースが多いとかというところに行き着くような分析が多いわけでございまして、やはりこれは新しい居住形態として定着すればそれなりに解決がつく問題だろうと思います。
 また、学説をおっしゃいましたが、そういうことを指摘される方がいらっしゃる一方で、研究者によってはほとんど高層住宅の影響はないということをおっしゃる学者もたくさんいらっしゃいます。念のため申し述べさせていただきます。

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参14(高層住居誘導地区)都心居住推進のため都市計画を初めて動員した

(建設委員会議録第14号、97.06.05、p.8-9)

【質問】
 現状を見ましても、大部市、特に都心地域の住機能回復のために特別な対策が必要だということはもう言うまでもないと思います。
 その基本方策として95年の大都市法の改正、これには私たちの党は賛成いたしました。当時の改正は、国や自治体が都市の居住機能の回復を計画的に進めていく、そういうものだったと思うんです。ところが、今回の法改正というのは方向が違う、そう思います。高層住居誘導地区であれば、住宅が一定割合以上ということだけで容積率割り増しを初め一連の緩和を図ろうとするものです。
 建設省は、これまでも中高層階住居専用地区制度、用途別容積型地区計画制度、街並み誘導型地区計画制度など、都心の住宅建設推進のためのさまざまな計画手法を設けてきました。個別の建設に対する一般的な容積率の緩和ではなくて、何らかの地域、町づくりの計画を持ってそれをつくって、それを前提に容積率をどう緩和するか、そういう形で物事が進められてきたと思うんです。
 今回のように、住宅さえ確保できれば計画の内容のいかんにかかわらず自動的に容積率を上乗せする、あるいは前面道路幅員による容積率制限、斜線制限などを緩和する、こういう制度は初めてだと思うんです。都市計画制度が目指している方向、これに逆行するのではないかと思いますが、いかがですか。
【答弁】小川政府委員(建設省住宅局長)
 都心居住のこれまでの政策のプロセスでございますが、今先生も大都市法の話をされました。確かに大都市法の改正で都心居住というものをきちっと位置づけて、それに基づいて基本方針を定めたというのが政策として都心居住がきちっと位置づけられた端緒であったろうと思います。
 その後、そういうふうな法制度の改正を踏まえた上で、予算面でございますが、いろんな意味でこれまで努力をしてまいりました。例えば、都心共同住宅供給事業という制度を設けて予算措置でてこ入れをするということもやってまいりました。
 ただ、若干御意見を異にするかと思いますが、今回は恐らく都市計画というふうな手続を正面に出した上できちっと都心居住を推進するための体制、制度、枠組みというふうなものを都市計画の場で位置づけた、むしろ私どもは今回が初めて都市計画という手法を動員した上で都心居住を進めるための体制を整備したものと理解しております。

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参15(日照と都市のあり方)非常に心が痛むが、我慢し合う連帯感を

(建設委員会議録第14号、97.06.05、p.10-11)

【質問】
 文京区本郷一丁目、二丁目の近隣商業地域、ここも一歩入れば低層住宅と中層マンションが混在しているところ。江戸時代から弓町と言われた今でも由緒ある町並みのあるところです。ここに区立本郷保育園というのがあります。本郷、湯島地域で唯一の公立保育園です。約80世帯のお子さんを預かっているところ。ここは西側が道路に面しているんだけれども、南側は事務所ビル、東側、北側はマンション、今でも高いビルに囲まれていて保育園が大変圧迫感がある。わずかのすき間の南東側に今度は高さ45メートル、14階建てのマンションが建設予定になっているんです。
 圧迫感もさることながら、日照問題が大変なわけです。日当たりの多少ある2階が1歳児の保育部屋になっている。冬至のころは南側の窓は終日日が差さない。唯一南東部から午前10時になってようやく4割程度日が入って日が当たる。しかし、高層マンションがこれから建つと、わずかに当たる日もほとんどゼロになってしまう、そういうところです。
 この保育園には屋上に、3階建てになっているんです、保育園が。2階、3階で子供たちが遊んだりするんですよ。悲しいじゃないですか。その屋上にやぐらを組んで集光器というのが置いてあるんです。大臣、集光器って何か御存じですか。
【答弁】亀井建設大臣
 知らないな。何ですか、それは。
【質問】
 御存じないようで申し上げますと、反射鏡で太陽光線を集めて日だまりをつくるんです。その日だまりに子供さんを集めて、日陰干しにならないようにということでやっているわけです。こういう状況です。小さいころから都心の子供たちは日が当たらない。だからこういう機械で太陽に当たっている。そういう大変な問題が起きているわけです。私はこれは本当にひどい話だと思うんです。もちろん、こういう状況だから不動産屋に対してもっと何とかせよということを言うと、もう1個集光器をつけますと言うんです、それで解決しましょうと。そのぐらいひどい問題です。そして、不動産屋の本音は、そもそもこんなところに保育園があるのが悪い、保育園は出ていけという態度なんです。私は本当にひどい話だと思うんです。
 こうしたマンションの建設、これは都心共同住宅供給事業で事業費の5.7%、1億7千万円の補助が行われている。幼児の成長にとっても太陽に当たることはもちろん不可欠です。言うまでもありません。部心に住みたければ日照は我慢せよという大臣の答弁が衆議院であったと議事録で読みましたけれども、都心の幼児に日の当たらない保育園で我慢せよと大臣は言われますか。
【答弁】亀井建設大臣
 非常に何といいますか、文明論までしなければならないような御質問で私はあろうと思います。
 我々が子供のときには、野や山や川で学校をサボってでも一日真っ黒けになって遊んでいた、そうした我々の少年時代。今はそういうことがほとんどできない状況が広がっておると思います。
 政府が強制的に別に都会に人を集めたわけじゃないけれども、やはり自然と利便性だとか生活の豊かさとか、いろんなことを求めて生活環境が悪いところにずっと集まってきている。しかし、それを政治は少しでも生活環境を守っていく、よくしていくという努力をしなければならぬことは当然のことであります。日照の問題について、やはりみんながそこに住みたい、集まりたい、生活したい、活動したいということで集まってくるわけです。強制収容しておるわけじゃありませんから、そうした集まってきた場合、お互いに自分だけがここで生活すれはいいんだ、ほかの人間がここに来るのは排除するというのは、私は間違いだと思うんです。やはり自分がそこに住みたい、生活したいというんであれば、他もそうしたいという気持ちをお互いに尊重する、そういう意味では我慢し合うということがなげればならないと思います。
 今、幼稚園の話を聞くと非常に心が痛む思いでありますが、余り頭に詰め込みの勉強とかそんなことばかりしないで、郊外に遠足なんかにしょっちゅう連れていくなりそうしたところで遊ばせるというようなことも、私は幼児教育その他の中でもっと取り入れていくというようなことも、都心で幼児を預かっている方々はそういう工夫もぜひしていただいたらいいんじゃないかなと。
 これはちょっとすりかえのように聞こえるかもしれませんけれども、いろんな方法でやはりこういう問題を解決しないと、残念ながら黙って座ればぴたりと当たるというようなことは、特に自由主義国家でありますから、国や自治体が強権力を持って光をきちっと与えていくようなことは不可能でありますから、そういうような感じがいたします、答えになっていないかもしれませんけれども。
【質問】
 子供たちも、それからまたお年寄りも大変多く住んでいるんですけれども、24時間そこで生活しているわけです。もちろん郊外に行くことも非常に大事ですけれども、いつもは行けないんです。
 ですから、やっぱり都心の居住環境というのはそういう形で大事なわけです。ですから、私はこの問題で言うと、やっぱりこういう問題をさらに激しくしてしまう、今でもこうなんだから。その地域というのは600%の可能性を今度の法改正でつくってしまうわけです、そういう問題を今度の法改正はもたらすんだと。そして、決してこれは部分的な問題じゃない。私は一例を挙げたけれども、先ほどから言っているように東京でそこかしこで起こる問題だ、そのことを述べておきたいと思うんです。
 そういった点で、私は次の問題に進みたいと思うんですけれども、都心地域は地価高騰とバブル経済のもとで地上げや事務所ビルの住宅地への侵食が進んで、定住人口が大幅に減少する。この間行った中央区では、17万から今6万3千になったということを言っておりました。特にファミリー世帯の減少が顕著で、小売商店、地場産業の衰退、地域コミュニティー、伝統文化の崩壊、これが進んでおります。
 こうした問題、これをどう解決するかということでそれぞれの地区、中央区でも港区でも地元ではさまざまな苦労があるわけですね、住宅手当をつくるとか。こういうことが進んできた原因をそもそもなくしていく、言いかえれば今住んでいる人たちを減らさない、住み続けられるようにするためにはどうしたらいいのか、それがやはり都心。居住の基本に据えられるべき問題だと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。
【答弁】亀井建設大臣
 もちろん、現に住んでいる方々の生活をできるだけ破壊しない、守るという視点は大事だと思いますが、一方、先ほどもちょっと申しましたけれども、2時間あるいはそれ以上の通勤を余儀なくされている、全く疲れ果ててしまうというそうしたサラリーマン戦士といいますか、そういう方々がやはり30分とか1時間以内のそういうところに自分の住居を、一生涯じゃなくても、とりあえず働いている間は持ちたいというような、そういう願いを持っている方も大勢いらっしゃると思うんです。そういう人たちに対してどうするかということでありまして、そういう人たちはだめだよと、あなたたちは。こっちは、おれたちは先に住んでいるんだから、あんたたちはだめだよと言うわけには私はいかないだろうと思うんです。そういう意味では、土地は限られているんですから、キャパシティーをふやしてそういう方々のいろんな願いもかなえるということも私は政治の一つである。それによって近隣の方々も若干のいろんな我慢をされるとか、いろんな問題は出てくるだろう、しかし、これは同じ国民ですから、そこらはあんばいに我慢し合うというのが私は国民としての連帯感じゃないでしょうか。

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◆参議院の附帯決議

(参議院建設委員会議録第14号、97.06.05、p.13)

都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する自由民主党、平成会、社会民主党・護憲連合、民主党・新緑風会及び新党さきがけの各会派共同提案による附帯決議

都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。

  1. 高層住居誘導地区の決定過程において住民の意見が十分に反映されるよう、地方公共団体を指導すること。
  2. 高層住居誘導地区の目的が十分達成されるとともに、採光、通風、開放性などの点で周辺の良好な住環境の確保が図られるよう、道路・公園・河川等の都市施設の整備を推進し、公開空地の確保などについて適切な指導を図ること。
  3. 容積率引上げ等の規制緩和が、地価上昇をもたらすことなく適正な土地利用につながるよう、十分配慮すること。
  4. 高層共同住宅等の整備に当たっては、高齢者、障害者等が安心して居住できるよう、地震・火災等の災害に対する万全の防災対策を講ずること。
  5. 高層住居誘導地区において容積率が引き上げられた建築物について、本来住宅の用に供すべきものの他用途への転用が行われることのないよう、必要な対策を講ずること。

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