非営利組織(NPO)になる地域スポーツクラブが各地で増えている。笹川スポーツ財団とNPOクラブネッツの調査では、昨年12月時点でスポーツに絡むNPOは全国で161団体。その8割が実際にスポーツをする場になっているという。
資本金や基本財産がいらないNPOは、株式会社や財団法人などと比べて設立手続きが簡単。これから法整備が進めば、税制面で優遇される。「非営利」を掲げ、事業内容や会計を公開する義務があるため、行政や地域住民の信頼を得やすい。文部科学省が掲げるスポーツ振興基本計画でも、NPO化の推進が重要課題の一つだ。
兵庫県加古川市の「加古川総合スポーツクラブ」は、5月にもNPOとして認証を受ける予定だ。1995年から続く文部科学省の総合型地域スポーツクラブ育成モデル事業としては、初めてのNPO化。推進役となった市教育委員会は「NPOになれば地域から協賛金を得やすい。行政が運営するよりクラブを続けやすい」と判断した。多くのモデル事業が補助金の期限切れで行き詰まっており、継続的な資金確保は「壁」だった。
大阪府岸和田市の「山直(やまだい)スポーツクラブ」は、22日に大阪府へ申請し、7月にもNPOになる。サッカーなど8競技の運営が軌道に乗っており、会員からは「なぜNPOなのか」という声もあった。
代表の松田篤人さん(39)は「地域に貢献するクラブであることをアピールしたい。クラブ名義の電話を持てるなど、個人に頼らず継続的な運営をするためにもプラスだ」と説明した。アイスホッケー日本リーグの日光バックスも、NPO化を探っている。
ただ一方で、NPOの利点を生かし切れるかどうか疑問の団体もあると、クラブネッツの水上博司・三重大助教授(36)=スポーツ社会学=は指摘する。NPOの活動が、行政、競技団体、営利団体などと競合することも多い。水上助教授は「どんな活動にNPOが適しているのか、わかるのはこれから」と話している。 |