実践感覚 sens pratique (30)
たとえば夢中になってバスケットボールを行うとき、まったく無意識の内に走り回ったり、ボールを投げたりすることはないし、かといっていちいち合理的な計算に従って行動を起こすわけでもない。スポーツ選手は、チームが勝利を収めるようにするために、自らのチームのコンディションや相手チームの特性、コートの状態、ルールなど、ゲームにかかわるあらゆる要素を見極め、絶えずその変化を追いながら、最も有効な「一手」を選 ぶ。それは半意識的に行われるために、臨機応変対応することができ、したがって誤りを犯すことも多い。その行動を導く感覚が実践感覚である。
実践的感覚というのは、選好、つまり物の見方・分け方の諸原理の後天的に獲得されたシステムです。通常、趣味go*tと呼ばれているものです。実践感覚とはまた(主として客観構造の身体化の所産であるところの)持続的な諸認知構造と、状況の把握と適切な反応を方向づける行為図式とのシステムでもあります。(31)
実践感覚は体系化してハビトゥスを形づくり、またハビトゥスによって生成される。