資本 capital
狭義には資本主義経済の元手としての資本であるが、ブルデューはこれを文化や経済、社会関係にまで押し広げ、個人が獲得し、所有し、利潤を得るための諸価値の総体として大きく解釈する。特定の場には特定の資本が存在する。ブルデューは『ディスタンクシオン』の中で、以下のような資本の三つの類型を試みている。(32)
氈@文化資本 capital culturel
広い意味での文化にかかわる有形・無形の所有物の総体を指す。具体的には、家庭環境や学校教育を通して各個人の内に蓄積されたもろもろの知識・教養・技能・趣味・感性など(身体化された文化資本)、書物・絵画・道具・機械のように、物質として所有可能な文化的財物(客体化された文化資本)、学校制度やさまざまな試験によって付与された学歴・資格など(制度化された文化資本)、以上の三種類に分けられる。学歴資本 capital scolaire
学校制度によって与えられたいわゆる学歴、およびそれに付随するさまざまな個人的能力や社会的価値の総体。したがって前項「文化資本」の第三の形態にほぼ重なるが、第一の形態にもかかわるものであり、いわば「学校」という場で獲得された文化資本の一特殊形式である。。 社会関係資本 capital social
さまざまな集団に属することによって得られる人間関係の総体。家族、友人、上 司、同僚、先輩、同窓生、仕事上の知人などいろいろあるが、そのつながりによって何らかの利益が得られる場合に用いられる概念で、いわゆる「人脈」に近い。