これは、『生活指導』増刊「キーワード生活指導」に書いたものです。
文中に挿入されている図表は、まだアップのしかたがわかりませんのでカットされています。
関心のある方は、上記の増刊号ぜひをお読みください。
学校文化と大衆文化
西内 裕一
学校文化とは、「学校集団の全成員あるいは一部によって学習され、共有され、伝達される文化の複合体」であり、それは次の三つの要素からなっている。
1)物質的要素:学校建築、施設・設備、教具、衣服等、学校内で見られる物質的な人物。
2)行動的要素:教室での教授=学習の様式、儀式、行事、生徒活動等、学校内におけるパターン化した行動様式。
3)観念的要素:教育内容に代表される知識・スキル、教職ないし生徒集団の規範、価値観、態度。
(日本教育社会学会編『新教育社会学辞典』東洋館出版社)
ここで示されている学校文化は、要素を列記したものにすぎない。
また、大衆文化との関係もはっきりとしないものである。
大衆文化は、「資本によって大衆向けに大量生産された文化的消費財と、それを中心とする生活の生み出す行動様式と価値表現の総体」(北田耕也『大衆文化を超えて』国土社)と規定されている。
学校文化と関わりのある大衆文化としては、高校生のポケベル・携帯電話、ピアス・茶髪、ミニ丈スカート・ルーズソックス、リセエンヌ風の紺ソックス、中学生の「たまごっち」、プリクラ、エヴァンゲリオン、小学生のポケモン(ポケットモンスター)、ミニ四駆などであり、小・中・高通じてのテレビゲーム(NINTENDO64、Playstation、SEGA SATURN、GAMEBOY)、マンガ、バスフィッシングなども大衆文化として成立し学校文化のなかへ浸透しているものである。
久冨善之は、次の図のように学校文化を構造化している。
(図表・・・略)
@は、「制度としての学校」であり、その中に教科・教科外のカリキュラムと、潜在的(かくれた)カリキュラムとがある。
Bの生徒文化が前記のような大衆文化の元にあるのみならず、Aの教員文化も社会のなかの教員という磁場のなかにあり、大衆文化状況のなかにおかれているのである。
Cの校風文化は、教師・生徒関係の距離・対立を埋めるものとしてさまざまな象徴や儀礼(校名、校章、制服、校歌、入学式、卒業式、始業式、終業式、体育祭、文化祭、始業時の礼、教室・教材・教具の神聖視など)が発生し、蓄積される。それらがそれぞれの学校に特有の「校風」を生み出している。
学校に持ち込まれ、主として潜在的な生徒文化の一部を作り出している大衆文化の様相を十分に見定めていく必要がある。