その103 ■グレードは下げられない・・

 昔はスコアなんかどうでもゴルフコースをラウンドしてるだけで楽しかったんですが、最近はさすがにスコアが悪いとあまり楽しくありません。以前の調子良かった時のスコアに近づけないと「あぁもうぅ!なんでだっ!」って自分に納得出来ないわけです。今年の夏、我が家にエアコンがセッティングされるまで(今どき無かったのかよっ!)、押入の奥から引っ張り出した扇風機が送り出す風にどれだけ感謝したことか・・。しかしその2週間後、見事エアコンが付き稼働し始めたらもう扇風機には戻れません。「今まで何でこんな普通の風に満足してたんだろう?」ってな感じで我ながら実に無情なもんです。昔は廻っていようが冷凍ネタだろうがチェーン店だろうが「寿司」食べられるってだけで幸せだったんですが、最近は“美味い”回転寿司屋を選ぶようになってきました。そのうち「えーっ!廻ってるのはちょっと・・」ってさらに贅沢になってしまうんでしょうか?焼肉屋しかり、ラーメン屋しかり。だんだん舌が肥えてきて、単に腹一杯・・というだけでは満足しなくなってきています。インターネットだって、昔は一つのページが表示されるのに何十秒もかかって、上から徐々に見えてくるのをじっくり待つのが当たり前だったんですが、現在の高速ネット環境を体感してしまうと、あの頃にはとても戻れそうにありません。このようにスポーツでも日常生活でも、一度グレードを上げてしまうと、再び下のグレードに落とすことは至難の業のように思いますがいかがですか?だから一度頂点を極めたスポーツ選手が頂点にいられなくなった時点で引退してしまうのはすごくよく分かりますよね。で、一体どっちが幸せなのか考えるとこれはちょっと難しい問題です。食べ物の例で言うと、一流の食べ物でないと満足できない人と、その辺の普通の定食屋の野菜炒めで充分美味しいと思える人では一体どちらが幸せなんでしょう?どんな食べ物でも美味いと思える方が味にうるさい人よりもむしろ幸せなんじゃないかと思いますがどうですか?そう考えると、スポーツでも何でも、どんどんレベルを上げるよりゆっくりじっくり少しずつ上達していった方が長く楽しめるのかも知れませんね。ほらゲームだって、初級、中級、上級って設定があるのに、すぐに初、中級をクリアして上級に進んじゃったら、もう上級でしか遊べないでしょ。だからいわゆる天才少年の悲劇は、自分はとっくにクリア出来てる事を他の凡人達のゆっくりとした進歩速度に合わせなくちゃならないところだろうし、お金持ちの家に生まれた子供は人生の最初からグレードアップした状態で始まるわけで、もし大人になってオヤジが経営する会社が倒産なんかしちゃったらそれはもう立ち直れないのも無理はありません。そういう意味では「貧乏な家に生まれる」というのは人生グレードをより低いところから始められ、その分グレードアップを沢山楽しめるという点で、むしろ金持ちの家に生まれるより幸せなのではないでしょうか?だからゴルフを始めてみたけどなかなか100を切れないとお悩みのそこのお父さん、もし一気に90切っちゃったりしたらその時は嬉しいでしょうけど、その後のゴルフはツライものになりますよきっと。だって今度はその最高スコアと毎回比べることになって、仮にその後95とか出しても嬉しくなくなっちゃう訳ですから・・。私の人生での後悔は、クルマ所有歴3台目でもうパジェロにしてしまったことで、この先の乗り換えが非常に難しくなってしまいました。こんなことならもっと若い頃に中古でも何でも、スポーツカーやセダンやワゴンなど色々回り道しとくんだった・・などと、ソフトバレーボールで(おそらく)初めてブロックを決めて、飛び跳ねて喜ぶ学生を見て思うのでした。ちなみに我が家のテレビは未だ14型(リモコンなし)、暖房は石油ストーブです。よぅし、まだまだグレードアップを楽しめるぞっと!

▼その104 ハウツー本はハウツー本・・