その129 ■IT技術の進歩と募金の実感・・

 「テレビをご覧のみなさんがこの電話番号に一回電話をしていただければ、通話料から100円分が引き落とされ、世界中のあちこちで病に苦しんでいる人たちを救うワクチンになります。」といった類のテレビ募金CMを時々目にしますが、みなさんはあの形の募金をしたことがありますか?

 恥ずかしながら私はあの形の募金をしたことがありません。もちろん、人が直接街頭に立って「お願いしまーす!」って形の募金活動の募金箱には時々(もちろん募金の内容によります)お金を入れたりするんですが、テレビでやってるあの「電話したら自動引き落とし」って形が、簡単なんでしょうがどうも行動するまでに至らないんですよね。

 なんでなんだろう?ってちょっと考えてみたんですが、おそらく「電話する」って事と「それによって地球の裏側の誰かが助かる」って事が実感としてとてもつながりにくいって事があるんじゃないかと思っています。これが例えば、電話したらテレビ電話になってて、地球の裏側の実際に病に苦しんでいる人が出てきてその場でワクチンが与えられて「ありがとう!」なんて現地語で話し出来るシステムだったら全然違うと思うんですが、今はまだそんなシステム無理ですよね?え?そんなシステム組むお金があったらワクチン山ほど配れるって?全くその通りだと思います。でも結局、募金するって行為とそれによって助かる相手が遠すぎて実感が湧かないってことが問題なんですよねきっと。

 そうやって考えてみれば、街頭で行われている募金活動だって募金する時に、それによって恩恵を受ける相手とは離れていますよね?でも街頭募金のほうは、街頭で実際に立ちっぱなしで声を張り上げて「募金お願いしまーす!」って頑張ってる人に対して「大変でしょ、ご苦労さん」って、実はあの人達に敬意を表して募金してる部分が結構多いんじゃないかと思いますが、どうですか?

 つまり最近は情報機器の整備が進んで、手元で何でも出来ちゃう時代なんですが、それに人間の実感が追いつかなくなるとそこから先は進めなくなったり、逆に判断を間違って進んでしまったりする可能性があるってことだと思います。

 最近私はカードで買い物することが多いんですが、初めの頃は確かに現金で支払ってるのと同じ感覚があったハズなのに、最近はカード支払いに慣れてしまい、財布の中の現金が減ったり、銀行から現金を引き出す回数が少なくなって、実感としてはあまりお金を使ってる感じがしないのに、いつの間にか(というか間違いなく使った次の月に)口座からまとめてお金が減っているという状況に陥りつつあります(あの、「次の月に」「まとめて」ってのがクセ者ですよね。だって「いつ頃」「何にどのくらい」使ったかが実感としてすごく分かりにくい。前の月の買い物なんてはっきり覚えてないですよね?)。ポイントがたまったりして見た目に得した気分になりやすいカード払いですが、「財布からお金が出ていく」という実感を大事にしたほうが結局は節約できてお得になるのかも知れませんね。

 いくら人類が進化しても人間は結局は動物。だからIT技術の発達も、単に便利というだけではなく、上に書いた「ワクチンテレビ電話システム」のような、実感も大事にした進歩が求められてくる様な気がしますし、またその方向に進み始めているような気がします。そう考えるとカード払いも、支払機を通したときにバーチャルな紙幣がひらひらっと財布から飛んで出ていくように見える機能がついたら支払った実感がかなり湧くと思うんですが、どう?・・え?そういう実感を湧かせないようにして沢山買い物させるのがカード会社側のもくろみだって?なるほど納得!術中にはまらないように気を付けよっと。

その130 自分で探す男と人に聞く女・・?