今テレビで流れているCM(確か日産車のCM)で、スノーボードやサーフィンの豪快な失敗場面が次々と出てくるCMありますよね。あれ見てると何かすごく清々しい気持ちに私はなるんですが、皆さんどうですか?多分いつもテレビやビデオでは素晴らしい成功シーンばかり見せられているから失敗を見せてくれるのが新鮮、というのもあるんでしょうが、普段自分も色々な場面で指導的立場にあって、何かにつけ“失敗してはいけない”という制約が頭の隅にいつもこびり付いているので、あれだけアッケラカンと失敗シーンを見せてくれると「ああ、失敗していいんだよな・・」と妙に当たり前の事を納得させられてしまっているのかも知れません。 スポーツの練習場面では当然失敗は付きもので、新しい技をマスターするためにはそれこそ山ほど試行錯誤、つまり失敗を繰り返しながら少しずつ体に覚え込ませていくわけですが、そうした練習場面での失敗や、つらい練習でヘトヘトになっている見苦しい姿を部外者は普段見ることが出来ません。だから大会での華麗で素晴らしいプレーヤパフォーマンスを会場やテレビで見せられると、「やっぱりこの選手はスゴイ!」と、ともすれば天才のごとく最初から苦労や失敗をしないで簡単にヒョイヒョイと技を身につけたかのように錯覚してしまいがちですが、そうした天才型はごく稀、いやたとえ非凡な素質や才能を持っていたとしても、それ相応の時間、努力や試行錯誤を重ねてきたからこそ、そこまで登り詰めることが出来たと考えるべきでしょう。 つまりどんなことでも上達していくために失敗は必要なもの、ということなんでしょうが、指導的立場にあるとどうしても「指導者として恥ずかしいから、できれば失敗を見せたくない」という意識が働いてしまいます。(よく学校の先生が板書で字の書き間違いを生徒に指摘された時に、「お前達が間違いに気が付くか先生は試したんだ」なんて誤魔化したりしますよね昔のドラマでは・・)。実技指導では“見本を見せる”という場面が多く、なおさら“失敗できない”という意識が強くなるようです。スキー指導者に多いのは、滑っていてコケそうになったときにその場所を振り返っていかにも「そこに引っかかる何かがあったからバランス崩した」って素振りを見せることです。(他のスポーツでも見本が失敗したときに「今のは悪い見本」なんてごまかし方も非常に一般的ですね実技指導では・・)。 でもちょっと考えてみれば何にでも、どんな簡単な場面でも失敗することはあり得るし、体育教師、スポーツ指導のプロだからといって絶対失敗しない人なんていないわけですから、指導だからといってあまり構え過ぎずに、もっと素直に自分の今持っている技能をさらけ出していいし、たまには失敗したっていいんじゃないかと思います。体育教師だからといってスポーツ万能とは限らないから、種目によっては生徒よりも下手クソで構わない。むしろ生徒と一緒に出来ないことにチャレンジした結果、初めて気付くポイントがあれば、それは最初から苦もなく出来るスポーツ万能の教師よりも、出来ない生徒に分かりやすいポイントになるハズです。そしてイスにふんぞり返って偉そうに指導するより、失敗を見せることを恥ずかしがらずに一緒になって真摯に練習に取り組む指導者の後姿こそ、実は選手を引っ張る大きな力になっているような気がします。 ただこれが若いうちはまだ何とか出来そうなんですが、年を重ねると守りに入るというか、「この歳で失敗なんてみっともない・・」という見えない殻が少しずつ身を固めてしまい、なかなか素の自分をさらけ出せなくなってしまうんですよねぇこれが・・。だから時にはそうしたしがらみから解放されて思いっきりチャレンジして失敗してみたいなぁと、あのCM を見るたび思うのでした。・・四十路で迎えた2005年の初頭にあたり、少しずつ守りに入り年相応の常識の中に埋もれてしまいがちな自分を今一度さらけ出すべく、私からの年頭の挨拶といたします。・・ってことで、今年もよろしくお願いします。〜私よりも○○歳も上なのにスキーで果敢に深雪にチャレンジし、前のめりに雪に突っ込んだ指導者の豪快な転倒に敬意を表して〜 |