その151 ■スポーツローテーション制・・


 大学院生と子どもの時の草野球のやり方について話をしていて思い出したんですが、秋田県の私が育った地域では、近くの広場や学校の体育館でビニール製のカラーボールを使って草野球をやるときに、「○人打ち」という方式で野球をやっていました。これは参加者を2チームに分けて対戦するのではなく、例えば「2人打ち」なら打者を2人と決め、それ以外の人が順番にキャッチャー、ピッチャー、ファースト、守備1、守備2・・と守備側の位置につきます。そしてベースをファーストとホームの2つにし、打者は打ったらファーストへ向かい、ファーストでセーフなら次の打者が打ったときにホームへ向かいます。もちろん長打を打ったときは一気にファーストベースを折り返してホームに戻ってきても構いません。こうして打者は自分がアウトになるまで打者でいられるのですが、例えばどちらかの打者がアウトになったら、その打者はそのまま守備の最後の順番にまわります。そして守備1はファーストになり、ファーストはピッチャーになり、ピッチャーはキャッチャー、キャッチャーは打者にローテーションしていくシステムでした。言ってみれば、「ローテーション野球」とでも呼べるでしょうか。どうですか?皆さんの地域ではこんな風にやってませんでしたか?

 この話を若干22歳の大学院生にしたところ、彼は最初からずっと2チームに分けて対戦する方式でしか野球をやったことがないと言ってました。これは地域の特性なのか、あるいは年代の特性なのかまだ分かりませんが、ちょっと探ってみたい興味深い話です。つきましては是非、皆さんの子ども時代の野球方式について、地域と年代を明記して教えて下さい。もしかするとまだまだ他のやり方があるかも知れませんね。

 全国調査は結果を待つとして、この70年代秋田方式はどうですか?今考えると、ものすごく合理的な野球の楽しみ方をしていたなぁと思います。だって全ての守備ポジションとバッティングをみんながまんべんなく楽しめるんですから・・。2チームに分けると、守備では誰がピッチャーやるとか、キャッチャーは嫌だとか、お前は外野やってろとか、守っていてもちっともボールが飛んでこないなど、守備側の面白さを平等に味わえないし、攻撃側になっても結局打順が回ってこなくてまた守備につくことになったり、第一、攻撃側は打者以外は基本的にやることがなくて打順を待ってるワケです。これって無駄ですよね。それに比べて「秋田’70システム」はいつも平等にみんなが野球のプレーを楽しむことが出来、プレーしていない時間がない。そして子どもならみんなが一番やりたい(ハズの)バッティングは、自分がアウトにならない限り続けて楽しむことが出来る。そして守備側にいるときは、自分が早く打者になるために一生懸命打者をアウトにしようとみんなで協力する。誰がピッチャーやるとか何とかいう問題も当然発生しない。ね!素晴らしいシステムでしょ!一体誰がこんな合理的な野球の遊び方を考えたんだろう?

 さて、ここからは私の提案ですが、この「ローテベースA’70 」方式を、小学生の草野球はもちろん、ソフトボールのスポ少やリトルリーグ、さらにはサッカースポ少などにも是非導入したらどうでしょうか。スポ少の最初から「お前はキーパー」なんて決められたら可哀相ですよね。え?キーパーだって面白いし、やりがいあるって?そりゃ大人はそう考えるかも知れないけど、子どもがサッカー始めるときは誰だって走ってボールを追いかけ、シュートを打ちたいんじゃないですか?まずはその楽しみを保証してやらないといけないんじゃないかと思うわけです。また、同じポジションばかりやるとピッチャーだったら肩を痛めたりするし、プレーの幅が狭くなるから将来大きく育たないし、第一、この子にとって最終的にどのポジションが適しているかなんて、色んなポジションをまんべんなく体験させた方がハッキリするに決まってますよね。だから絶対スポーツのポジションはまんべんなくやった方がいいんです。

 そう考えると、バレーボール6人制のローテーション制度は元々、みんながまんべんなくスパイクやレシーブを楽しむ構造を持っていて素晴らしいなと思うワケです。でも皆さんご存じのように、高度化を目指した結果、セッターなどのポジションを固定化したりリベロ制の導入などプレーを専門化する方向にどんどん進んで来ていますね。このまま高度化が進むと、そのうちローテーションのルールが廃止になって9人制のようにフリーポジションとなり、アタックラインがなくなって前衛後衛の区別もなくなるんじゃないかと心配してしまいます。ま、先の話はおいといて、だからトップレベル以外のバレーボールはもっといろんなポジションやプレーを均等に楽しんでもいいんじゃないかと思います。その方がバレーボールをまんべんなく楽しめると同時に、オールラウンドなプレイヤーがどんどん育っていき、将来トップレベルでも通用する選手が増えていくのではないでしょうか。さらに言うと、少年期はスポーツ種目自体をローテーション制にして、いろんなスポーツをまんべんなくプレーさせる制度にしたほうが、トータルな運動能力が育つとともに、自分がどのスポーツに向いているかを、体験した上で判断することが出来るのではないでしょうか。是非この「スポーツ何でもローテーション制」を日本の少年スポーツ界全体に導入して欲しいと思います。・・というわけで、この将来へのスポーツ提言をもって、今年の発想事典を締めくくりたいと思います。・・最後に一言。今年はあんまり更新できず申し訳ありませんでした。来年またマイペースで頑張ります。皆さんよいお年をお迎え下さいね。

その152 開拓者で行こう・・