その153 ■敬語とスポーツは距離感・・


 この間、敬語の分類が3分類から5分類になったことで、敬語について新聞などでしばしば取り上げられることが多くなった気がします。その中で私が「へぇ〜」ってボタンを押したのは(古っ!)、読売新聞に書いてあったどっかの言語学の教授か誰か(かなり曖昧ですね)の、「敬語は、相手を対する尊敬の意を表すと考えられているが、実はそうではなくて、地位の違いや親しさの度合いなどといった、「相手との隔たり」つまり距離感覚を表現するものである」という見解です(確か)。確かに、初対面の人に対しては普通、敬語を使いますが、初めて会ったのにいきなり尊敬する、っていうのはちょっと無理がありますよね。むしろ初めての人とは人間関係の距離が離れているので、まずは敬語で話し始め、次第につき合いが長くなって親しくなった(距離が縮まった)ら、それに合わせて敬語を使わなくなっていく、というのが分かりやすい説明です。もちろんこれは同年代くらいの人との関係であり、明らかに年上の人に対しては、いくら親しくなったからといって、敬語を外すことは普通、ありませんね。同年代での敬語は横の距離感であるのに対して、こちらは年の差という、人間の縦の距離感を表現している、ということになると思います。

 私の主観ですが、スポーツをやってる人は、この人間関係の距離感をつかんだり、縮めていったりするのが上手なんじゃないかと思っています。常に相手の出方や仲間の状況を判断するトレーニングを積んでいるので、最初は失礼のないように離れたところから接しながら、相手の様子を見て「これはもう少し近づいても大丈夫な人(状況)かな?」とか「ちょっとまだ入り込めないな」とか距離感を図りながらチャンスを見て懐に入ってくる。だからスポーツ系の人間は会社の営業などで力を発揮することが多いのだと思います。体育系の厳しい部活には怖い指導者が多いですが、その指導者の状況(怒っている、真剣モード、ふざけている、機嫌がいい)を瞬時に判断して、「今は監督に冗談を言って懐に入る時か?」「今は監督が真面目モードだから真面目に対応!」など、一歩間違えると大変な目に遭うリスクを背負いながら常に状況判断能力と距離感覚を鍛えられている選手は結構多いと思います。(決して怖い指導者はそれを意識してているわけではないと思いますが・・)

 よく体育会系の人間は「軍隊みたいに大声で挨拶だけはしっかりできる」みたいな言われ方をしますが、どんな状況でも大きな声で挨拶するばっかりの人はむしろスポーツ選手としても大したことはなくて、それなりにスポーツを上達してきた人であれば、「相手の状況や距離感覚を的確に判断してその場に合った話し方が出来る」ので、むしろ高度な状況判断能力を備えていると考えるべきだと思います。以上、体育会系偏見撲滅委員会でした。

その154 思ったとおりにしかならない・・