その155 ■違う競争にシフトする・・


 新聞の投書欄に、「車の信号待ちでエンジンを切ってアイドリングしないようにし、10%燃費が向上するということを知り、やってみたら簡単だった」みたいな投書が載っていて、簡単なやり方も書いてあったので、私もやってみました。具体的には、信号待ちになったらシフトレバーを「N」にし、ブレーキは踏んだままでエンジンを切る。(ブレーキはずっと踏んだままにします)。発車はエンジンをかけ、レバーを「D」に戻して、ブレーキを離してアクセルで発進、という本当に簡単なものです。やってみたら実に簡単!最初はちょっとエンジンを切ることに不安と抵抗があったり、発車のときにレバーを入れ忘れたりしましたが、すぐに慣れました。そしてやってみると、信号待ちの間エンジンを切ることによって、車の中に平和な静寂が訪れるとともに、「ガソリンを全く消費していない」という自分の節約上の満足感と、「排ガスで空気を汚していない」という自分のエコ意識をすごく満足させることが出来るのです。これはまるで自分が歩行者になって信号待ちをしているかのような大きな心境の変化でした。周りのクルマのほとんどはエンジンをかけっぱなしなので、なおさら「地球に優しい!!」という優越感を特別に感じることが出来ます。皆さんも是非一度やってみてはいかがですか?

 この投稿者も言っていたのですが、今までは前を走る遅いクルマにイライラして、無理に加速して追い抜いこうとしてたのに、このアイドリングストップ運動をやってみると、自分の意識がスピードから、「ガソリンをなるべく使わないこと」に変わって、結果、静かに加速して一定速度で運転するように心がけるようになりました。そうなると、今までは自分の中で勝手に、他のクルマと「スピードの競争」を繰り広げていた(だから後ろのクルマがスルスルッと車線変更して自分を追い越していくとちょっとムカッとしてた)のですが、今回のアイ・スト運動により、「エコドライブ競争」(でも何でいつも“競争”にしちゃうんですかね?完全に体育会系の悪癖ですね。)にシフトするので、追い越されても全くムカッとしなくなりました。(だってエコ競争では逆に、加速追い越ししていくクルマに勝ってることになりますよね。)そしてそう言う目線で他のクルマを見てみると、今まで走行車線(追い越し車線じゃない、左側の車線)を制限速度通りにトロトロ走っているクルマを、単にノロいクルマとしか見ていなかった(つまり自分よりも完全に下に見ていた)のですが、「あ、もしかして彼らはエコドライブ競争(だから競争なんてしてないって!)を私が気がつくずっと前から実践しておられた方々であらせられた(極端な尊敬語になってます!)のでは?」と、見方が変わりました。逆にせかせかと前のクルマをあおって追い越し加速していくクルマを見ると、「まだスピード競争モードなんだ・・。若いな。まっ俺もそんな時期があったからな」てな感じです。余裕?ふっ、そう言われれば、そんなものかも知れませんね。

 つまり、一口に競争って言っても実はいろんな競い方があるわけで、見方を変えれば敗者は勝者に変わるし、逆もしかりです。私の愛車ビビオはベンツのSクラスと比べて加速性能や豪華さ、車内での快適性などの面では完敗ですが、例えば100km先までどれだけガソリンの消費を抑えて到達できるか?あるいは小さな駐車スペースに停められるか?あるいは自動車の税金を少なく出来るか?という勝負では圧勝するでしょう。ゲームの上達が速い子は他の子に比べて優越感を味わうことが出来るでしょうが、「一つのゲームでの上達をどれだけ長く楽しめるか?」という勝負になると上達が遅い子が勝つわけです。ゴルフでもスポーツの勝負では打数が少ない方が勝ちですが、ゴルフ場にはみんな同じプレー料金を払っているので、打数が多い人ほど1打あたりのプレー単価は安くゴルフを楽しめる、という下手くそゴルファーの言い訳もあります。人生だって一般的に「勝ち組」「負け組」なんて言われてるのは年収とか社会的地位というごく一面にしか過ぎず、でもいわゆる勝ち組の社長や医者、売れっ子芸能人達が、日々仕事に追われて休む暇なく働き、多くのストレスを抱えて病気になったり心を痛めたり、果ては悪いことに手を出したり、自らの命を絶ってしまったりすることもあるわけで、決して全ての面で勝ちではないことは明白です。(もちろん、勝ち組の皆さんがそうではないし、いわゆる負け組にも大変な状況の人も沢山いることは当然ですが、だからそういう面での勝負はお金や地位とは別の勝負としてある、という話です念のため。)

 長くなりましたが、結局、勝負や比較は見方によって様々なので、ある面だけを取り上げて、その勝ち負けだけで全てを価値付けたりしないように気をつけましょうということです。今回のエコ・ドライブ体験でそういうことをすごく感じました。皆さんも是非、アイ・スト運動を体験してみて下さいね。

その156 ユアボール運動・・