<福島で見られる貴重な虫情報 No.2 2001.5.18

キバネツノトンボ1 キバネツノトンボ Ascalaphus ramburi

ツノトンボ類の中ではやや小型ですが,後翅の黄色が目立ちます。飛んでいてもこの黄色ははっきりわかります。

キバネツノトンボ2

静止している姿はトンボと似ても似つきません。確かに大きな複眼と細かい翅脈をもった翅,幼虫が肉食性であるなど,トンボと似た特徴もありますが・・・。

ツノトンボ幼虫

これはキバネツノトンボの幼虫かどうか確認していませんが,植物の茎に産み付けられたツノトンボ類の卵塊から幼虫がいっせいに孵化したところです。

キバネツノトンボ3

森林内のリターから時々ツノトンボの幼虫が見つかります。アリジゴク(ウスバカゲロウ類の幼虫)とは異なり巣は作らず,獲物を待ち伏せて大きな顎で捕食するようです。

今回は,福島で見られる貴重な昆虫として,キバネツノトンボを紹介します。

 キバネツノトンボは,「トンボ」という名前が付いていますが,トンボの仲間ではありません。クサカゲロウやウスバカゲロウなど「脈翅目」の仲間で,幼虫はアリジゴクによく似た姿をしています。日本にはキバネツノトンボの他に,ツノトンボ,オオツノトンボ,オキナワツノトンボの4属4種が分布していて,福島にはオキナワツノトンボ以外の3種すべてが分布します。昔は大学構内にたくさんいたらしいのですが,現在はちょうど今頃(5月中旬)数頭が飛んでいる姿を見るだけです。でも,キバネツノトンボに出会うと,「また虫の季節がきたなぁ」と思ってしまいます。

 大学構内には夏になると灯火にオオツノトンボがよく集まり,学生が「触角の長い変なトンボを捕まえました」と研究室に時々持ってきてくれますが,キバネツノトンボはオオツノトンボのような夜行性ではなく昼行性で,昼間大学構内の芝生やススキ野原の上をものすごいスピードで飛んでいます。まるで黄色い弾丸のようです。ただ,植物の葉の上などにとまっていると毛むくじゃらの体や大きな眼,そして名前の由来でもありこの仲間の大きな特徴でもある長い触角がはっきりとわかり,なんとも可愛らしく思えます。

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最終更新:2001.5.18