塘研究室の研究概要とセミナー案内

 

塘研究室で行われている研究の概要とセミナー・ゼミなどの内容を紹介します。塘研究室に興味を持った福島大学教育学部の学生さんは是非、一読して下さい。

 

研究内容の紹介

<生物のことはあまり知らない人向けの内容紹介>

 塘研究室では、卵の中で昆虫の体が徐々に出来ていく過程を主に顕微鏡を用いて観察し、発生の謎を明らかにしたり、野外で様々な環境に適応して生活している昆虫を採集し、その生態を調べたりしています。このどちらの研究テーマにおいても、その目的は、昆虫という小さな生物を通して、生き物の生き様を感じ、自然を見る目を養うことであり、さらには観察を通して、自分の自然観や世界観を拡げることが最大の目標です。「虫」というと、ちょっと苦手な人もたくさんいると思いますが、ほんのちょっと勇気を出してじっくり見ていると、それまで気づかなかった愛らしい面も見えてきます。現在この地球上で最も繁栄している生物である昆虫の世界を覗いて見ませんか?興味のある方は、気軽に研究室までどうぞ。

<生物のことをまあまあ知っている人向けの内容紹介>

 塘研究室は「動物分類形態学研究室」の看板を掲げています。しかし、この看板には多少「偽りあり」で、実際には研究材料を動物の中でも「昆虫」に絞っています。具体的な研究内容は、比較形態学的な手法を用いた、昆虫の配偶子形成、特に卵巣構造と卵形成様式の多様性と進化に関する研究です。昆虫の中でも、栄養細胞の分化しない卵形成を行う昆虫類、特殊な卵黄形成を行う昆虫類などを研究材料として、その発生初期における卵形成様式や卵黄形成期における卵黄成分の形成様式を光学顕微鏡と電子顕微鏡を用いて、観察・記載しています。また、アザミウマ類(昆虫綱:総翅目)の分布、水生昆虫類のファウナ調査など昆虫の分類学的研究も行っています。


ゼミなど

ゼミ(毎週火曜日5時限目)

 塘研究室は教育学部自然棟6階の619室と620室がメイン・ラボ、501室がサブ・サボになっています。通常、研究室のメンバーは620室か501室で研究を行っていますが、ゼミは第2演習室で行われています。ゼミは研究室配属が決まった3年生、そして4年生、院生と教員が参加します。ちなみに、教育実習などで参加学生が少なくなっても、教員一人だけにならない限りゼミは開かれます。昔は学生と先生がマン・ツー・マンでゼミ、なんてことも珍しくありませんでした(今では考えられない・・・)。

主な内容

 ゼミの内容は主に<論文紹介><ミニ・セミナー>です。

<論文紹介> 昆虫の形態や分類に関する英語で書かれた論文を読んで、その内容を簡潔にまとめ、ゼミのメンバーに分かりやすく紹介します。英語の論文を読むことは学部の学生にとっては大変なことですが、研究を進めるためには「自分の研究分野において、現在、何がどこまで明らかになっているか」を知ることは重要です。また,塘研究室では互いに関連のある分野の研究を行っているので、ゼミの中で論文を紹介してもらうことは、自分で読んだ論文以外に、さらに多くの論文の情報を得ることにもなります。

<ミニ・セミナー>ミニ・セミナーは、各自が自分の興味あるテーマについて、様々な参考図書を調べ、その結果をゼミのメンバーにレクチャーする機会です(第35回のゼミから始めました)。選ぶテーマは自分の研究分野に関するものでも、単に日頃から自分が興味を持っていることや不思議に思っていることでもOKです。これまでのミニ・セミナーでレクチャーされたテーマについては、こちらをご覧下さい。

 

研究進捗状況報告会

 4年生は週に1回、3年生も週に1回(卒業論文基礎研究の時間)に研究の進捗状況を報告する機会を設けています。これは一週間の間にどれだけ研究が進んだか、その間にどんなことが明らかになったか、どんな問題に突き当たったか、次にどのような研究方針を取るのか、などを報告してもらい、ゼミのメンバーと討論を行ったりもします。この様に研究の進行状況を定期的にチェックすることは、自分にとっては研究のまとめの機会になり、また、研究室のメンバーにとっては、他のメンバーの研究にアドバイスやサジェスチョンを与える機会になります。ちなみに、この報告会のために各自が作成したレジュメは、研究発表を行ったり、卒業論文を書くときの重要な研究資料の役割も果たします。

 

前口動物学セミナー

 当研究室では、4年生に学外での研究発表を義務づけています。塘研究室の4年生は、毎年11月末か、12月初めに長野県の菅平高原にある筑波大学菅平高原実験センターで開催される「前口動物学セミナー *1」で、卒業研究の中間発表を行っています。このセミナーは全国から無脊椎動物(中でも昆虫が圧倒的に多い)に関する研究を行っている研究者、学生、学校の先生、一般の人などが集まって研究成果を発表し、活発に討論をする場です。発表される研究内容も大学の研究室における研究成果だけではなく、海外での研究調査の様子、高校の生物部の研究成果、生物教育に関するアンケート調査結果など様々です。このセミナーで4年生が発表する目的は、研究成果を学外の様々な分野の(厳しい)研究者に聴いて頂き、ここで得たいろいろな意見・批判を卒業論文をまとめる上での参考にすること、そして何よりも以下で紹介します福島大学教育学部の「生物学教室卒業研究発表会」に向けての「度胸作り」です。

 *1 前口動物とは、発生初期に形成された原口がそのまま成体の口になる動物の総称で、節足動物、環形動物、軟体動物をはじめとするほとんどの無脊椎動物が含まれます。

 

卒業研究発表会

 研究室で1年半にわたってなされた研究成果を、4年次の年度末(2月中旬)に開催される「生物学教室卒業研究発表会」で発表します。この研究発表会は生物学教室の3つの研究室合同で開催され、誰でも自由に発表を聴いたり、討論に参加することができます。また、この発表会は動物生態学(木村吉幸研究室)、植物生態学(木村勝彦研究室)、動物分類・形態学(塘研究室)の各研究室の教官による卒業研究の判定会議も兼ねています。

 

その他

 当研究室には、昆虫の形態学的研究のための大きな武器として、透過型電子顕微鏡があります。透過型電子顕微鏡は、自然棟617室に設置されていて、この電子顕微鏡で観察するための試料を作るウルトラミクロトームなどの装置もすべてそろっています。電子顕微鏡を使えば、光学顕微鏡では見えないような微細な構造も観察することができます。普段はおよそ数千倍から数万倍の倍率で昆虫の様々な細胞や組織を観察しています。

 

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最終更新日 : 2005.3.17